大和市の元副市長2人が大木哲市長(72)による職員へのパワーハラスメント的言動があったと証言したことを巡り、管理職の市職員が市長とのやりとり後の3月末から療養休暇を取っていることが31日、複数の関係者への取材で分かった。
これまで「職員からの市長に関するパワハラの相談はない」としていた市の斉藤園子総務部長は神奈川新聞社の取材に、この職員についても「パワハラの相談は受けていない」と答えた。
複数の関係者によると、この管理職の職員は3月末に療養休暇を認められた。
市長のパワハラ的言動を証言した元副市長の金子勝氏(64)によると、辞職前の3月中旬に、この職員が市長室に呼ばれたが、涙を流し、体が震えて入室できない状態になったという。
市の元健康福祉部長で、3月に定年退職した目代雅彦氏(60)も神奈川新聞社の取材に対し、部下だったこの職員が市長とのやりとり後に休職に至ったことを認めた。
目代氏は「職員と一緒に市長室に入ったこともあり、市長からいろいろな業務上の指示があった。パワハラ的言動かどうかは本人の受け取り方次第なので分からない」とした上で、「職員が落ち込んでつらそうに見える時もあった。職員は真面目でかなりプレッシャーを感じていたかもしれない」などと話した。
この職員はこれ以前にも、市長とのやりとりなどに悩んで精神的な不調を訴え、数日間休んだといい、復職した後、市長室に呼び出されて再度、体調を崩したという。
金子氏は「市長にパワハラ的な言動をやめるよう進言したが改める様子がなかった。精神的な不調を訴える職員もいて、苦しんでいる姿を見るのが耐えられなくなった」などと証言していた。
金子氏は、複数の相談があった中で、この職員の事案を最も重くみて、辞職を決断するに至ったとも明らかにした。