暖春 記録的に早いさくら開花 東海以西はかなり早い梅雨入り 春(3~5月)天候まとめ

2021年春(3~5月)の天候

 気象庁は1日、春(3月~5月)の天候のまとめを発表した。3月に日本付近への寒気の南下が顕著に弱かったことなどから、春の平均気温は全国的にかなり高くなった。函館(北海道)、福岡(福岡県)、西表島(沖縄県)等の15地点で、春の平均気温の高い方からの1位の値を更新した。

 期間を通して低気圧や前線の影響を受けやすかった北日本と、5月に梅雨前線の影響を受けた西日本の太平洋側は降水量がかなり多くなった。なお、梅雨前線が平年より早く北上したため、西日本の各地方と東海では、平年よりかなり早く梅雨入りしたとみられる。また、移動性高気圧や太平洋高気圧の影響を受け、梅雨前線の影響が小さかった沖縄・奄美では日照時間がかなり多くなった。

3月 記録的高温

各地のさくら開花・満開日

 月平均気温は北日本で平年差+3.0℃、東日本で平年差+3.4℃、西日本で平年差+2.9℃と、1946年の統計開始以来3月として最も高い記録を更新した。126地点で、月平均気温の高い方からの1位の値を更新した。低気圧が本州付近を発達しながらたびたび通過したため降水量は北日本の太平洋側でかなり多く、東日本の太平洋側で多かった。高温の影響が大きく、さくらの開花・満開は各地で平年よりかなり早くなり、統計開始以来最も早い地点も多かった。

4月 日照時間多く

 本州付近を移動性高気圧が通過して、寒気と暖気の影響を交互に受けたため、北・東・西日本は気温の変動が大きかった。北日本は低気圧の影響を受けて降水量が平年よりかなり多かったが、全国的には高気圧に覆われる日が多く日照時間は平年より多かった。沖縄・奄美では湿った気流の影響を受けにくく、降水量がかなり少なくなった。

5月 かなり早い梅雨入り

5月11日正午の雲の様子と実況天気図

 平年に比べて梅雨前線が早く北上し、南から暖かい空気が流れ込むとともに、太平洋高気圧に覆われ日照時間が多かった沖縄・奄美では気温がかなり高かった。沖縄・奄美の気温は、1946年の統計開始以来、5月として最も高い記録を更新した。

 中旬を中心に本州付近に停滞した活発な梅雨前線の影響などで、降水量は西日本でかなり多く、日照時間は北・東日本の日本海側でかなり少なかった。なお、梅雨前線が平年に比べ早く北上したため、九州南部は5月11日ごろに、九州北部・四国・中国は15日ごろに、近畿・東海では16日ごろに、それぞれ平年よりかなり早く梅雨入りしたとみられる。

<春の気温が過去最高となった主な地点>

 函館  8.7℃(平年差+1.5℃)

 仙台  12.4℃(平年差+1.8℃)

 福岡  16.9℃(平年差+1.5℃)

 西表島 24.2℃(平年差+1.4℃)など計15地点

<春の降水量が過去最多となった地点>

 大阪 709.5ミリ(平年比208%)

今後の天候見通し

夏(6~8月)の降水量の予想

 最新の季節予報(夏・6~8月)によると、暖かい空気に覆われやすい時期があるため、気温は沖縄・奄美で高く、北・東・西日本は平年並みか高い見込み。湿った空気や前線の影響を受けやすい時期があるため、3か月間の降水量は北・東・西日本で平年並みか多い見通し。

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