FIAのトッド会長、現在も月に2度ミハエル・シューマッハーの元を訪れていると明かす

 FIA会長で元フェラーリF1のチーム代表であるジャン・トッドは、友人であるミハエル・シューマッハーを今も月に2回訪ねていると述べている。

 シューマッハーの家族以外で、療養中の彼を訪ねることが許されている人物は少ない。シューマッハーは怪我を負ったスキー事故以来7年以上も療養を続けている。トッドは一家の信頼できる内部の一員であり、シューマッハーとはF1においてフェラーリで10年間における記録的な成功を共に成し遂げた。

 長年にわたり、シューマッハー家は7度の世界チャンピオンについて沈黙を貫いてきた。彼はほとんどの時間をマヨルカにある一家の地所で過ごしていると見られている。したがってシューマッハーの容体についてはほとんど知られておらず、トッドは常に最大限の思慮深さを保っている。

 この1年、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックで制限が課せられたにもかかわらず、トッドは良き友人を頻繁に見舞うことを続けている。

「私はミハエルと少なくとも月に2度会っている」とトッドはイタリアの日刊紙『Corriere della Sera』に語った。

「私は彼をひとりにしない。彼とコリーナ、家族。私たちはともに多くの経験をしてきた。私たちが経験したことの美しさは、私たちの一部であり、これからもそれは続く」

2001年F1ハンガリーGP ジャン・トッド(フェラーリ チーム代表)、ミハエル・シューマッハー(フェラーリ)&コリーナ・シューマッハー

 1994年から2007まで13年間フェラーリの指揮を取ったトッドは、現在のフェラーリの状況と、チームの段階的な改善について考察した。

「企業は異なる時代を経ている」とトッドは述べた。「私は1993年の7月に着任したが、マラネロの状況は劇的だった」

「イギリスで設計されたマシンはすぐに故障した。我々は風洞を借りなければならなかったし、設計事務所は空っぽだった。唯一良かったのは食べ物だけだ」

 しかしトッドは、フェラーリの復興がようやく花開くと考えている。

「私は野望と能力があると考えている。ドライバーに関して言えば、(シャルル)ルクレールと(カルロス)サインツJr.がなかでも一番良い」

「彼らには全体的なパッケージが必要だ。マシン、エンジン、シャシー、空力だ。すべてを最高レベルにしなければならない。千分の数秒が決め手になるのだ」

「私はメルセデスの優位性に敬服している。私はそのことを気に入っていないし、もっと競争があってほしいと思っているとはいえ、8年にわたってチームとハミルトンは常に最高だったのだ」

「彼らはリラックスすることもできたが、それではこうはならなかった。彼らの意欲と渇望には疑問の余地がない」

「私はより多くのチームとドライバーが戦いに絡むことを望んでいるが、F1とモーターレースには強いフェラーリが必要だ」

2021年F1第5戦モナコGP 母国でポールポジションを獲得したシャルル・ルクレール(フェラーリ)
2021年F1第5戦モナコGP カルロス・サインツJr.(フェラーリ)

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