大坂の全仏辞退にセレナが反応「記者会見によって私は強くなれた」

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2018年「全米オープン」での大坂とセレナ

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月30日~6月12日/クレーコート)の1回戦を突破したばかりの元世界女王セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が、大坂なおみ(日本/日清食品)の大会辞退について思いを語った。AP通信が伝えている。

セレナは「全仏オープン」史上初めて行われたナイトセッションで1回戦を戦い、世界ランキング74位のイリナ カメリア・ベグ(ルーマニア)を7-6(6)、6-2で下した。その後の記者会見で、大坂の会見拒否から大会辞退に至るまでについて、自身の経験を重ねて語った。

「私が経験してきた記者会見の中には、とても苦しい状況の中で応じたものもたくさんあったわ。でもそれによって強くなれたと思っている」

これまでセレナは、グランドスラムの決勝で敗れても相手を笑顔で称えることもある一方で、今年2月の「全豪オープン」準決勝で大坂に敗れた時は、涙ながらに記者会見に応じていた。長年の経験を積んでいるセレナでさえ、試合直後の会見は試練なのである。

「なおみの気持ちもわかるわ。みんなが同じではないもの。私は図太いけど、そうでない人もいる。人はそれぞれ違うし、物事の対処の仕方も違う。なおみは、彼女がやりたいように、そして彼女が考える最善の方法で対処していくしかないわ。私にはそれしか言えない。彼女は今、できる限りのことをしていると思うの」とセレナは大坂に寄り添った。

史上最多タイとなる24度目のグランドスラム優勝を目指す39歳のセレナほど、メディアの注目を浴びてきた女性アスリートはいないだろう。注目されることがあまりにもストレスになった時は、助けを求めることが重要だとセレナは言う。

悩みを具体的に話せる人が必要だとし、相談相手としてWTA(女子テニス協会)の関係者、身近にいる人、普段から定期的に話す人をセレナは挙げた。「私も(なおみと)同じような立場になったことがあるの。家族や知り合いには必ずしも話せないようなことを、そういう人たちに打ち明けて楽になったことが確かにあるわ」

大会の辞退を報告し、うつに苦しんでいることを明かした大坂のTwitterの投稿には多くのコメントが寄せられている。その中に、17歳の新星ココ・ガウフ(アメリカ)のものがある。「自信を持って。あなたの脆弱さも尊敬しているわ」と大坂にメッセージを送ったガウフは、先日「全仏オープン」の会見で不愉快な思いをしたばかりだ。

豪スポーツメディアYahoo Sport Australiaによると、ある記者がガウフに対して「あなたはよくウイリアムズ姉妹と比較されます。それは、あなたが黒人だからかもしれませんが、私はあなたに才能があるから、そして(姉妹と同じ)アメリカ人であることも大きいと思います」と切り出したという。これに対してガウフは笑顔で対処。「セレナと比べられることは褒め言葉だと思っているわ。でも私はセレナの後継者としてではなく、“ココ”として自分のことを知ってもらいたいの」と落ち着いた対応を見せている。

大坂の回復を願うとともに、彼女の辞退に込められた思いの通り、他の選手には「全仏オープン」でそれぞれの全力の戦いを見せてもらいたい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「全米オープン」での大坂とセレナ
(Photo by Julian Finney/Getty Images)