早くも沢村賞を期待する声が高まっている。
中日・柳裕也投手(27)が1日のロッテ戦(バンテリン)で9回1安打無失点で、二塁を踏ませず圧巻の投球を披露。自身3年ぶり2度目の完封劇で今季5勝目(1敗)をマークした。
チームを3連勝に導き、交流戦は単独首位をキープ。与田監督は「もう柳に尽きるね。ボールの高さが良かった。丁寧に丁寧に長打を打たれないようにバッテリーでうまくできた。今まで褒めてないけど、よく頑張った」と最敬礼だ。
それでも今日の結果に柳本人は満足することはなし。完封劇について「3年ぶりって、3年もしてなかったんだ。もっとしないといけない。プロに入って2回目ですか…。全然ですね。去年、大野(雄)さんがたくさん完封しているのを見ていたので、僕も大野さんみたいにもっと完封、完投を増やせるように頑張りたい」と貪欲に語る。
しかし、柳への周囲の評価はうなぎ上り。これで22イニング連続無失点と抜群の安定感で、防御率1・41、81奪三振は12球団トップを誇る。勝ち星もリーグトップの巨人・高橋の6勝に1差と迫り、この勢いなら今オフには投手三冠を手にする可能性は十分だ。
チーム関係者は「今年の柳は無双状態。直球もそうだけど、特に変化球がキレッキレで、ここからはさらに完封、完投をバンバン積み重ねていってくれるはず。去年、大野(雄)が沢村賞を獲得したけど、このまま行けば今年は柳のもの。2年連続で中日から沢村賞が出るのは誇らしい限りだよ」と早くもソロバンを弾いている。
もっとも柳は「タイトルや数字に関しては、まだ全然意識する時期ではない。まずはチームのことです」と意に介していないが、チーム内での期待は膨らむばかりだ。