【安田記念】グランアレグリア 坂路で最終追いも不安一掃! 

持ったままで楽々と53秒台をマークしたグランアレグリア

GⅠ6勝目へ向け死角なし――。春のマイル王決定戦・安田記念(6日=東京芝1600メートル)の最終追い切りが2日朝、東西トレセンでスタートした。ヴィクトリアマイルを圧勝したグランアレグリアは、美浦の坂路で余力十分に4ハロン53・6秒を刻んだ。ウオッカ(08、09年)以来となる安田記念連覇へ、準備万端だ――。

前走のヴィクトリアマイルを4馬身差で圧勝。この安田記念では昨年、アーモンドアイを2馬身半切って捨てた。ベストの東京マイルならば現役最強と言っても過言ではあるまい。

だが一方で不安説もある。これまで未経験の中2週のローテ。前走後には「ツメを痛がるところがあった」(藤沢和調教師)との話もあった。果たして今年の安田記念はグランアレグリアで盤石なのか――。2日朝の美浦トレセンでは同馬の一挙手一投足に注目が集まった。

陣営が最終追い切りの舞台に選択したのは坂路コース。普段はウッドで追われるイメージが強いだけに、これをマイナスと捉える向きもあるかもしれない。しかしこれまで同馬が坂路で最終追いを行ったケースは3度あり、結果は<2・1・0・0>の好成績。この調教メニューだけをもって減点材料とするのはナンセンスだろう。着目すべきは調教の“質”だ。

調教パートナーの杉原(レースはルメール)を背に同厩のサンクテュエール(古馬オープン)、セルフィー(古馬3勝クラス)を追走スタート。テンからスムーズに折り合って、道中は前との間隔を保つ。このまま並びかけることなく“遅れ”でゴールか…と思われたが、ラスト1ハロンから変化があった。鞍上が大きなアクションを起こすまでもなくスッと加速をすると、あっという間に前を行く僚馬に並びかけて併入フィニッシュ。一切の無駄のない所作で4ハロン53・6―38・6―12・5秒を計時した。

これには見届けた藤沢和調教師も「馬は穏やかだったし、順調だね。前に追いついても追いつかなくてもいいという指示だったが、結果的には近づくような形に。いい感じです」と満足げな表情。

気になるレース間隔やツメのトラブルについても「中2週なので調整程度で十分。昨年の秋は体を絞るのに苦労する面もあったけど、そういう意味で今回は調整は楽です。ツメについてはもともと丈夫ではなくて牧場でもケアをしてもらってたくらいで、今はもう心配ない。実際、先週の水曜から毎日のように時計を出していますから」と“ノープロブレム”を強調した。

昨年に続く連覇へ。そして自身6度目のGⅠ制覇へ――態勢は盤石だ。

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