モナコで苦戦のメルセデスF1、アゼルバイジャンも「W12の特性と合わない」と難しい週末を覚悟

 メルセデスF1は、アゼルバイジャンのバクー市街地コースもW12の特性に合うストリートサーキットではないことに注意を払っており、チーム代表のトト・ウォルフは、アゼルバイジャンでは訪れるかもしれないチャンスを捉えて“ポイントを獲得する”よう促している。

 全戦モナコGPでは、パフォーマンス不振と不適切なレース運営が相まってメルセデスのチームリザルトは下落した。レースで2番手を走行中だったバルテリ・ボッタスはピットストップのインシデントのためリタイアし、ルイス・ハミルトンは執拗にマシンのタイヤに苦しめられ、7位と下位でフィニッシュした。

2021年F1第5戦モナコGP 右フロントタイヤのナットが外れず、バルテリ・ボッタス(メルセデス)はリタイアに

 しかしウォルフは、週末の不振は過ぎたことであり、メルセデスのクルーはアゼルバイジャンGPでより強く立ち直るための意欲に溢れていると考えている。

「モナコのような週末は、何度も起きてしまうものだ」とバクーでのレースプレビューでウォルフは語った。

「このスポーツで簡単なことは何もないが、だからこそ我々はこのスポーツを愛している。100%に達していない、もしくは近づいていない場合、手ひどい目にあうことは分かっている」

「月曜日の朝、私はバーレーンテストから戻ったときと同じエネルギーが満ちているのを目にして、嬉しく思った。週末を詳細に分析し、厳しい質問を自問し、いくつか重要な教訓を学んだ。先週末のレースに戻ることができたらいいのにと思うよ」

 ウォルフはバクーをF1における“例外の”コースのひとつと分類し、理論上はメルセデスと相性が悪いとしている。そのためチームはいっそう、難しい週末になる可能性があるレースから多くを引き出さなければならない。

「次はバクーだ。モナコとは非常に異なる市街地コースで、我々にとってまたもトリッキーであると予想している。W12の特徴や特性と相性が良いというわけではない」

「レッドブルはまた強さを発揮するだろう。一方でフェラーリとマクラーレンの両チームは、最近大きな進歩を見せている」

「我々にとって重要な点は、自分たちのマシンと相性が良くないこうした例外のコースにおいて、得られるチャンスを活用することだ。ポイントがあれば、我々はそれを掴む必要がある」

「この戦いでは激しい変動があるだろうが、それはスポーツにとっても我々にとってもエキサイティングなことだ」

「市街地コースにおける再度の挑戦を期待している。また、前回のレース結果を受け、バクーで我々はかつてないほどにいっそうの決意を固めて勢いに乗り、力を取り戻すだろう」

2021年F1第5戦モナコGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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