女子テニス界のレジェンドが大坂問題で抗議文提出「思いやりを持って対処すべきだった」

大坂の告白は世界で波紋を広げている(ロイター)

女子テニスの大坂なおみ(23=日清食品)が1日、全仏オープン(パリ)棄権とうつ病を告白し世界に波紋が広がるなか、女子テニス界の大御所が4大大会側の初動ミスを指摘し、猛抗議に出た。

女子シングルスで4大大会の全米オープン2位、同ダブルスで4大大会すべてを制覇しているパム・シュライバー氏(58)は、米「ニューヨーク・ポスト」に対し、全米オープンを主催する全米テニス協会(USTA)幹部に非難の手紙を送ったことを明かした。

同氏は、大坂が初戦で記者会見を拒否後、4大大会が発表した共同声明が無神経すぎたと指摘。「彼らはもっと思いやりを持って協力し、舞台裏で対処する必要があった」と糾弾した。

全仏側は大坂に罰金1万5000ドル(約165万円)を科し、4大大会は共同で、違反を繰り返すと全仏失格や、将来の4大大会出場停止といった厳しい制裁を受ける可能性を通告。大坂はその後、棄権を決めている。

女子テニスのレジェンドは「罰金や行動規範、出場停止の可能性を持ち込むのは間違っていると思った。誰かの健康に関するすべての事実を知る前にそうすることは、好きではない。彼らはスーパースターの1人を失った。絶対に言いませんが、声明発表をなかったことにしたいと思っていると思う」と続けた。

4大大会側は大坂の棄権を受け「可能な限りの支援と援助をしたい」と一転、大坂に寄り添う声明を発表。しかし不信感はぬぐえぬ可能性がある。4大大会次戦はウィンブルドン選手権(6月28日開幕)。シュライバー氏は「(出場は)非常に疑わしいと思う」と推測。4大大会側の〝ミス〟が、今後も尾を引く可能性を示唆している。

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