絵本『火の山みょうこう』増刷へ  読み聞かせ版なども構想 上越市会社社長が提案実現

 昨年4月発行された、妙高山の成り立ちをテーマにした絵本『火の山みょうこう』(早津賢二、川崎日香浬著)が6月中に増刷される。上越市内の書店でも販売する予定。

 部数は1000部。増刷を提案した高坂防災の髙坂光一社長(60)は昨年、絵を担当した川崎さんから本の贈呈を受けた。「上越、妙高の人々が毎日目にする妙高山の歴史を知るのに格好の素材」として、自社での展示などを企画したところ、初版700部がすぐに売り切れたと知り「それなら増刷しよう」と著者2人に提案、快諾を得たという。

 髙坂社長は「本には妙高山の恩恵と災害の歴史が詰まっている。防災・安全に関わる自社の事業としても意義がある」と話す。今後、同書の読み聞かせ版制作や原画展も構想しており、広く同書の内容を知らせたい考えだ。

『火の山みょうこう』の原画を見ながら構想を語る髙坂社長

 また、髙坂社長は著者の早津さん(妙高市、妙高火山研究所主宰)とも交流を深めるうち、上越地域で活動する学術研究者の実績に光を当て、後世に残したいと思うようになった。「テーマは自然、歴史、文化など多岐にわたるものにしたい。それらを読んだ若者が、それぞれの分野に関心を持って学術の道を歩んでくれたらうれしい」と話した。

絵本『火の山 みょうこう―絵で見る妙高山の生い立ち―』と川崎さん(左)、早津さん(2020年4月17日付、上越タイムス掲載)

 『火の山みょうこう』はA4判カラー46ページ。価格は1950円(税抜き)。

左ページに文章、右ページに挿絵を掲載。妙高山の魅力や成り立ちを楽しみながら学べる内容となっている(同)

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