BMW、ニュルブルクリンク24時間に先駆け新型M4 GT3を正式にお披露目

 BMWモータースポーツは6月2日、ドイツのニュルブルクリンクで開催されるADAC・トタル24時間レース(ニュルブルクリンク24時間)に先駆け、2020年から開発が進められてきた新型M4 GT3を正式にお披露目した。6月26日に開催されるニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)で正式デビューとなる予定で、価格は41万5000ユーロ(約5550万円)となっている。

 BMWはGT3カーレースにZ4 GT3、そして現行のM6 GT3をリリースし、世界中のカスタマーが使用してきたほか、多くの主要レースで優勝を飾ってきた。そんな歴史を紡ぐ新たなGT3カーであるBMW M4 GT3は、これまで開発が進められていることが公表されていたが、ニュルブルクリンク24時間に先立つ6月2日、正式にMカラーに彩られお披露目された。

 M4 GT3は2020年に開発がスタートして以降、CAD、CFDのシミュレーションやテストベンチでのエンジン開発、テストシャシーの組み立て、風洞などの開発過程を経て、2020年7月18日にロールアウト。その後さまざまなサーキットでBMWワークスドライバーが開発を続けてきた。

 さらに12月のイベントではフィリップ・エングがドライブし、シミュレーター用ステアリングホイールを手がけるファナテックと共同開発したステアリングホイールをトライ。リアルとバーチャルの両方で使用できる世界初のステアリングホイールが発表された。

 2021年には、スペインのモンテブランコやアルメリア、ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)でテストが続けられ、1万4000km、70時間のマイレージを稼いだ。新型BMW M4 GT3は、2022年に向けて世界中のカスタマーに届けられる前に、さらに多くのテストと実戦での開発を経ていくという。

 現行車両のBMW M6 GT3との比較としては、ドライバビリティの改善、コスト効率の改善、操作性という3つの領域をターゲットに開発された。M4 GT3のハンドリングとコクピットはジェントルマンドライバーにもより快適に、さらにタイヤへの負担が少なくされているという。またエンジンとトランスミッションはライフが伸ばされコストを削減。また、多くの基本設定が外部からパソコンを接続しなくてもステアリングホイールから直接設定できるという。

「BMW M4 GT3の開発作業は現在最終段階に入っており、ニュルブルクリンク24時間はBMW M モータースポーツのカラーリングで車両を発表し、最終段階に向けたパーフェクトなステップだと考えている」と語るのは、BMW M GmbHのマルクス・フラッシュ代表取締役。

「市販の新型BMW M4コンペティションは、M4 GT3にとって完全なベースとなっている。エンジンは当初からサーキットでの使用を想定して設計されており、BMW M GmbHがロードカーとレースカーを連携して開発していることを示している」

「新型M4 GT3はテクニカルパートナーたちのおかげで最先端の技術を提供する。彼らはそれぞれの分野でのベストであり、そのノウハウで開発を支援してくれていることを嬉しく思っている」

 新型M4 GT3は41万5000ユーロ(約5550万円)で販売される予定で、M6 GT3よりも4000ユーロ安く、ライバルメーカーと同等だとしている。また、耐久レースでの使用のためのオプションを含めた“コンペティションパッケージ”が工場出荷時のオプションとして利用が可能となっているほか、購入特典として社内でのBMW M4 GT3のシミュレーターを使ったスペシャルトレーニングも含まれている。

ニュルブルクリンク24時間に先駆けて正式にお披露目された新型BMW M4 GT3
ニュルブルクリンク24時間に先駆けて正式にお披露目された新型BMW M4 GT3
ニュルブルクリンク24時間に先駆けて正式にお披露目された新型BMW M4 GT3
ニュルブルクリンク24時間に先駆けて正式にお披露目された新型BMW M4 GT3
ニュルブルクリンク24時間に先駆けて正式にお披露目された新型BMW M4 GT3
正式にお披露目された新型BMW M4 GT3と市販のM4
ニュルブルクリンク24時間に先駆けて正式にお披露目された新型BMW M4 GT3

© 株式会社三栄