リウボウ3社が大幅減資 中小企業化で税優遇狙い 会長「変化に迅速対応」

 リウボウグループのリウボウホールディングス、リウボウインダストリー、リウボウストアの3社が、資本金を大幅に減資することが2日、分かった。7月7日付で効力が発生する予定。3社とも中小企業の扱いとなることで、税法上の優遇措置や補助事業などを受ける狙いがある。

 リウボウホールディングスの糸数剛一会長は「節税効果や、補助事業を受けられるなどのメリットがある。投資余力につながり、いろいろな変化にスピーディーに対応できるようになる」と話した。全国的にも、新型コロナウイルスの感染拡大による経営状況の悪化などから、旅行大手のJTBなどが大幅な減資によって中小企業扱いになっている。

 ホールディングスは資本金を34億5千万円から1億円に、インダストリーは3億8千万円から5千万円に、ストアは3億円から5千万円に、それぞれ減資した。資本金から取り崩した39億3千万円は、累積赤字の穴埋めや資本剰余金に振り替えるという。

 税法上、資本金1億円以下の企業は中小企業と定義され、赤字でも事業活動の規模に応じて法人事業税を負担する「外形標準課税」が適用されない。中小企業基本法では、小売業で資本金5千万円以下の企業が中小企業となる。 インダストリーとストアはこれまで大企業扱いだったために、消費増税後のキャッシュレス決済ポイント還元など、中小企業向け事業の対象とならなかった。

 糸数会長は、社長を務めていた沖縄ファミリーマートが資本金4900万円と中小企業でありながら、順調な事業展開で信用が高かったことから、以前から減資を考えていたという。「今の時代は、資本金の額ではなく、しっかりした財務と商売の将来性が会社の信用につながる。多くの資本金を積む必要は薄い」と話した。

 リウボウグループの2021年2月期決算では、新型コロナの感染拡大を受け、小売り3社の売上高が前期比11.6%減の1034億5800万円となった。糸数会長は「コロナ禍とは直接関係ないが、(減資について)理解を得やすいタイミングではあった」と話した。

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