ソフトバンクに秘策アリ 交流戦限定“球団別必勝リレー”解禁へ

試合をしめた岩崎(左)と甲斐

指揮官もホッとした表情だった。ソフトバンクが2日のDeNA戦(横浜)に1―1の引き分け。楽天に同率で並ばれはしたものの首位を守った。

1日の試合では大黒柱の森、モイネロを欠く救援陣がつかまり痛い逆転負け。リリーフ4投手が無失点で粘ってのドローに工藤監督も「こういうゲームをしていればいい方向に行く」と話した。

育成を含めて助っ人3選手が出場しているキューバ代表が五輪予選で早々に敗退。頼みの綱のリリーフ左腕・モイネロが予定よりも早くチームに帰ってくる。ただ、それでも再来日後に2週間の隔離期間は必要になるため日程は未定。当面は現状のリリーフ陣が踏ん張らないといけない。

リーグ内で大きな順位変動もありえるのが交流戦。そんな中で工藤監督が思い描いているプランが、9回・岩崎のみを固定しての“球団別必勝リレー”だという。「チームにより特徴は違う。(交流戦は)なかなか当たらないチームとはいえ(各打者や打線の傾向として)対応できる球種とコースがあると思う。それによって投手の使い分けはあってもいい」。

1日の試合は8回に松本を投入して逆転負けしたが、その観点で言えば指揮官の結論は5月中旬に一軍昇格した板東だった。「(DeNAは)武田君の縦のカーブに合わなかった。今うちでそういうカーブを投げられて、カットボールがある程度コントロールできる投手、球の球威もそこそこある投手と考えたら板東君」。この日の8回は左腕・嘉弥真が一死を取ると、さっそく板東を投入。2投手で相手の3番からの好打順を三者凡退に抑えた。

短期決戦のここぞというところでは、相手キーマンのスイング軌道に合わないと見る投手をリリーフ抜擢するなどしてきた工藤監督。救援陣はスクランブル体勢にもなるが、自在タクトを解禁して難局を乗り切るつもりだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社