【キャンプの基本シリーズ4】『快眠はマットから!』キャンプ歴40年のキャンプライターが教えるアウトドアの寝具知識

キャンプは、非日常を味わえるとてもエキサイティングな体験です。昔は地面に直接寝る感覚が新鮮で、それだけでワクワクしていました。ただ、寒いし暑いし硬いしでなかなか眠れず、キャンプの度に寝不足になっていました。そんなキャンプが快適になり、朝気持ちよく起きることができるようになったのは、良いスリーピングマットを導入してから。そこで今回の【キャンプの基本シリーズ】では、キャンプでの快眠アイテム『スリーピングマット』についてお話しようと思います。

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こんにちは。キャンプ歴40年のキャンプライター、かおるです。

これまでの【キャンプの基本シリーズ】をはじめから読みたい方は、こちらからチェックしてくださいね。

今回はいよいよ『スリーピングマット』について解説します!

スリーピングマットはどうして必要?

「キャンプで使う寝具」と言われて最初に思い浮かべるのはシュラフだと思います。寒さを凌ぐのはシュラフですが、それだけでは快適な睡眠は得られません

シュラフと同じくらい重要で、シュラフではカバーしきれない役割を果たしてくれるのが『スリーピングマット』なんです。

キャンプで快適に眠るため、スリーピングマットには2つの重要な役割があります。

マットの役割1:地面の凸凹・硬さを和らげる

キャンプ場のロケーションは様々。芝のところもあれば土のところもあります。河原なら砂利や石の上にテントを張ることもあるでしょう。

そんな時、テントに直接シュラフを広げて寝ようと思っても、ゴツゴツして眠れたものではありません。

家でもフローリングの上に横になって直接掛け布団を掛けても背中が痛くなって眠れないでしょう。

そんな時スリーピングマットは、クッションとなって硬い地面から体を守ってくれ、寝心地をよくしてくれます。敷布団の代わりがスリーピングマットと言うことです。

マットの役割2:地面の冷たさを和らげる

2つ目の役割は「断熱」です。保温効果の高いシュラフで寝ていても、地面からの冷気があると、その機能を十分に発揮できず、徐々に体が冷え切ってしまって震えながら朝を迎えることもあるのです。

スリーピングマットの断熱性能を現す単位として、「R値(熱抵抗値)」というものがありますが、これは建築の断熱力を示す値としても使われ、R値が大きいほど、スリーピングマットが熱を透過させにくいということを示します

おおよそR値0~2.0は夏向け、2.0~4.0は3シーズン、4.0~6.0は積雪期と言う分類になっていますので、キャンプに行くシーズンに合わせてスリーピングマットを購入すると良いでしょう。

R値は足し算をすることができますので、R2の夏用を2枚重ねてR4の積雪期用にすることも可能です。

また、R値はあくまでも断熱力を表す値ですので、夏キャンプでR値の高いスリーピングマットを使用しても暑くて不快になることはないでしょう。ただ、夏の場合、地面の冷たさを感じれられた方が快適な場合はあります。

スリーピングマットの種類は大きく分けて2種類

スリーピングマットには様々な種類があります。大きく分けると、発泡マットエアーマットの2種類です。

発泡マット(銀マット・ウレタン・樹脂など)

筆者撮影

発泡マットは発泡素材でできているマットで、それ自体にクッション性があり、広げればそのまま使用できます。

銀マットやウレタン、樹脂などでできたマットがあります。

厚みがそのままクッション性になるので、コンパクトにできずかさばりますが、エアーが抜けて使えなくなることがないので耐久性は高いです。

写真の銀マットは、僕が40年程前に購入した初めてのマットです。夏は良いのですがそれ以外の季節は寒く、薄いためクッション性も悪く我慢して使っていました。さらに、表面がツルツルしていてシュラフがずれてしまうので、寝心地は悪かったです。

エアーマット

筆者撮影

エアーマットは、空気を入れるタイプのマットです。

このLOGOS(ロゴス)のエアーマットは、僕が30年程前に購入したものです。

空気を入れるので、厚みがありクッション性に富んでいます。また、コンパクトに収納できるので荷物を減らしたいときにおすすめです。

たくさん空気を入れなければならないので膨らませるのが大変ですが、ガラガラの岩場でも快適な寝心地で、まるでウォーターベッドのような浮遊感すらあります

穴が開くとしぼんでしまうので使えなくなってしまいますが、購入から30年!こうして穴も開かず頑張っています。

ただ、このマットは断熱性がほとんどなく、地面の冷気でエアーが冷やされ、氷の上で寝ているような感じさえします。しかも、夏は体温で中の空気が温まって、ベロア調の表皮と相まって暑苦しく感じることも。

購入の際は断熱性をチェックしてみましょう。

筆者撮影

エアーマットの中には、ある程度自分で膨らんでくれるものもあります。

写真のエアーマットは、アルパインデザイン『スーパーライト』と言うインフレータブルマットで、かれこれ20年程前にツーリングキャンプにはまっていたときに購入したものです。そこそこ快適に長い間使っていました。

対角線の角にエアバルブが付いていて、開けるとある程度自分で膨らんでくれるので、空気を入れる苦労はほとんどありません

膨らませる手間や時間を省きたい方におすすめです。

40年使ってみて最終的に辿り着いたスリーピングマットは……?

筆者撮影

40年、寝苦しい夜を過ごしながら、より快適に眠れるように買い増していったスリーピングマット。

写真右の銀マットから左側に向かって新しくなっていくのですが、最終的に現在も使っているのが、左の『THERMAREST(サーマレスト)』と言うメーカーの2つです。

サーマレストは、『トレック&トラベル』『ファスト&ライト』『キャンプ&コンフォート』とシチュエーションに合わせて作られた3シリーズ・全24種類のスリーピングマットを販売しているアメリカのメーカーです。

私もこの2つをシュチエーションに合わせて使い分けています。

軽量派なら:THERMAREST(サーマレスト) 『プロライトプラス 女性用』

筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/CNrkkOHhrSk/

バイクや登山で使うスリーピングマットとして愛用しているのが、写真手前から2番目、オレンジ色の『サーマレスト プロライトプラス女性用』です。

長さが168cmあるので、寝袋で寝る場合であればそれだけあれば十分。R値4と断熱性も高く、バルブを開けばある程度自分で膨らんでくれるため便利です。

収納サイズは28cm×12cm、重さは640gと非常に軽量コンパクトで、バイクや登山などできるだけ荷物をコンパクトにしたい場面では特に最強です。

ちなみに、女性用の方がレギュラーサイズよりR値が高いです。

オートキャンプなら:THERMAREST(サーマレスト) ラグジュアリーマップ XL

オートキャンプなら荷物の大きさを気にすることはないので、写真一番手前、一番寝心地の良い『サーマレスト ラグジェアリーマップ XL』を使っています。

中身が詰まっていて、厚みが8cmと非常に厚く、インフレータブルと言うよりウレタンマットのような使用感。収納時には小さくはなりませんし、2kg以上の重さもあります。

ただ、頭、肩、腰と圧力の掛かる部分に高密度なフォームが使われていて、体を適切にサポートしてくれ、寝心地は家の布団より良いくらいです。

R値は6。雪山でも地面から冷気を感じることなく使えるほど断熱性が高いので、電気毛布でも敷いているのかと勘違いするほど背中がポカポカしてきて、おすすめです。

究極の寝心地を保証! スリーピングマットとコットは最強コンビ

筆者撮影

スリーピングマットは、地面からの冷気を防ぎ、地面の硬さを和らげるもの。と、ここまでスリーピングマットの2つの重要な役割をお話ししてきました。ここからご紹介する『コット』とは、携帯用ベッドのこと。凸凹も冷気も、コットさえあえばどちらも解決じゃない?

と、言ってしまうと身も蓋もないのですが、コットをテント内に持ち込んで寝るスタイルが流行っていることからもわかるように、スリーピングマット×コットの組み合わせが最強なんです!

筆者撮影

写真右は、僕が20年程前から使っているコットで、現在はワンコ達の居場所として活躍してくれています。

左側は数年前にツーリング用に購入したロースタイルのコットです。

使用する時はほぼ同じ大きさなのですが、最近のコットはこんなに軽量でコンパクトになるんです。

これなら、荷物を少なくしたいツーリングでもコットを持って行くことができます

コットの上に直接寝袋で寝ると、風がコットの下を通って夏場は非常に快適なのですが、朝夕冷える秋から春にかけては、断熱性の全くないコットの下を冷たい空気が通り抜け、非常に寒いんです。

筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/CNrlG3ghc06/

そこで、コット×スリーピングマット。これで完璧です。

季節に合った寝袋と併せて使うことで、朝までぐっすり快適に眠れること間違いなしです。

熟睡して翌日に疲れを持ち越さないというのは、最高の朝を迎えられるのと同意なのです。

筆者撮影

写真左がオートキャンプ用、右はツーリング用のコットとスリーピングマットです。

昔は荷物になるのでコットをツーリングで持って行くことなんて考えられませんでしたが、ここまで軽量コンパクトならツーリングでも快適に眠れますね~。

キャンプは眠りが大切! 快眠したいならスリーピングマットを導入しよう

今回は、キャンプやアウトドアでぜひ導入していただきたいスリーピングマットについてご紹介しました。

店頭では、様々なタイプのマットを実際に触って試すことができるので、自分のキャンプスタイルに合ったマットを導入してみてくださいね。

【おまけ】キャンプ暦40年! アウトドアでの快適性を求めたら最終的にこうなった

筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/B8DOJsdBath/
筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/B8DOJsdBath/

今回、スリーピングマットのお話をさせていただいてなんですが、、、僕は20年程前からこのスタイルに落ち着いています。

テントもタープも寝袋もたくさん持っていますが、最終的に僕が一番快適だと思っているのは、キャンピングカーでの旅

寝具も家用のものを使っており、家の快適さとアウトドアの楽しさを両立させた究極のスタイルはこれだと思っています。

筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/CEpvC_Yh_w3/
筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/CEpvC_Yh_w3/

車を止めて、サイドオーニングと椅子を出してセット完了。飲んで食べてのんびりして、寒くなったら車内のリビング、眠くなったらそのままベッドへ。

「キャンピングカーでのキャンプも気になる!」という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

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