「純粋に勝負したい」電撃退団 元ヴォレアス古田史郎 北海道からビーチバレー挑戦の真相 #1

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◆ クラブからの退団発表

カメラの前で初めて「ビーチバレーに挑戦する」と告白した古田史郎選手

バレーボール V.LEAGUE ディヴィジョン2(V2)ヴォレアス北海道は、5月27日「選手退団のお知らせ」をリリースし、7選手の退団を発表した。古田史郎選手、山口功太郎選手、家近滉一選手、関根俊哉選手、白石啓丈選手、藤村昇太選手、辰巳遼選手の7選手。地元・北海道出身の古田史郎選手(33)は、法政大学在学中に日本代表に選出。その後、東レアローズに入団、ジェイテクトSTINGSを経て、2017年、ヴォレアス北海道のチーム創設初年度に移籍。そこから4シーズン、初代キャプテンとしてチームをけん引してきた、文字通り「チームの顔」といえる選手だ。今シーズンは開幕前とシーズン終盤、2度にわたる大きなケガに苦しんだが、大分三好ヴァイセアドラーとの、V1・V2入替戦に出場。第1戦は両チーム最多の18得点をたたき出すと、第2戦もあと一歩のところまで迫りながら、惜しくも昇格には届かなかった。チームの悲願である「V1昇格」を果たさぬまま、チームを去る決意を固めたのはなぜか。今後はどんな活動をしていく予定なのか。5月31日をもってヴォレアス北海道を契約満了となった、古田史郎選手に話を聞いた。(全3話 第1話)

◆ 2年半前から考えていた退団

古田選手はヴォレアス北海道でオポジットとして活躍

――ヴォレアス北海道退団という発表には正直なところ驚きました。まずは、ここに至るまでの経緯を教えて下さい。はい。実は、退団自体は2年半前くらい前から考えていました。ただ昨シーズン、入替戦自体がなくなり、その前の最後のホームゲームもなくなってしまいました。それまでともに挑戦して下さったファンやサポーターの皆さんの前で、元気な姿をお届けできず、V1昇格も果たせませんでした。だから今シーズンはチームに残りました。全力でV1昇格に向かって戦っていくということで、今年は挑んでいたんです。今回退団することは、ともに戦ってくれた、ともに退団するメンバーの中では決まっていた、決めていたことでしたので、自分の心の準備はできていました。でも退団の発表後、本当にたくさんの方に問い合わせをいただいて…そんなにも色々と感じて下さっていたのだなと。そこはまだ受け止め切れていないところがあります。ただやめるということに関しては、決めていたことでした。

◆ 新たな挑戦へ

旭川に砂場を作りビーチバレーのトレーニングをする

――2年半前から考えて決まっていたという今回の退団ですが、そこにはどんな理由があったのでしょうか?ビーチバレーをやりたい、ビーチバレーに転向したいという思いがずっとあったんです。そのタイミングがいつなのかを、自分の中で整理していました。こういった情勢になってすごく悩みました。越川さんのような(インドアとビーチの)二刀流も含めて、色々と考えたのですけど…ビーチバレー1本でやっていこうと決めました。理由としては、ヴォレアス北海道はひとつの形として成立したのかなと思ったからです。『目標』としてV1があって、『目的』としてV1にいく過程やV1にいったときに、よりたくさんの方に知っていただいて、何かが届けばいい。それぞれがそういうものを持ってこれまで挑んできました。その一方で、個人としてはもう少しこういった方向でやりたいなという思いがあったし、純粋にもっともっと「勝負したいな」と。V1という目標があって、そこから日本一になってという、形が見えてしまったというか。もちろん達成はできなかったですけど、それは達成できるものだなと感じたんです。そこに挑戦し続けるのもひとつでしょうけど…見えないものに挑戦する、まさにこの世の中のように本当に見えない中に挑んでいく、新しいことに挑戦していく、同じようだけど同じじゃない新しいことに挑戦していく中で届けられるもののほうが大きいんだろうなという思いが、自分の中で大きくなってしまって。最近は、そこの葛藤がありました。

◆ ビーチバレーという未知の分野に挑戦

ヴォレアスでは積極的にファンと交流を持ってきた

――新しい挑戦の舞台として、ビーチバレーを選んだのはどんな理由からですか?ビーチバレーはこれまで、正直遊びという感覚でしかやったことがなかったです。本格的に挑戦したことはありません。ただ、そういった中で楽しかった。競技自体の魅力もそうですし、そこに関わる方もそう。ビーチバレーを取り巻く環境に魅力を感じていました。僕らはスポーツを通して自分たちの人間を形成してきたので、「やる」とか「見る」とか「支える」だけではない、スポーツの魅力を示していきたいなという思いが強くあります。僕らの想像するビーチバレーの面白さと、僕がいま思っているビーチバレーの面白さをマッチングさせてやっていきたいと思ったのが、最後の決め手でした。これからの未来を想像した時に、ある程度の形が見えていたとしても、そこに挑戦する面白さも絶対にあると思います。V1、日本一を目指すインドアの面白さもあると思います。でも、あえてそこを行かないという一つの挑戦というか。やっぱり挑戦したくなっちゃうんですよね(笑)。うまく答えになってなくてすいません。(第2話に続く)◆古田史郎(ふるた・しろう)選手生年月日:1988年1月29日(33歳) 出身地:北海道函館市 身長/体重:190cm/84kg バレー歴:函館大有斗高で全日本選抜入り 法政大1年でアジア選手権準V 09年に全日本入り 東レアローズ、ジェイテクトSTINGSを経て、2017年ヴォレアス北海道に入団