【マツダ CX-5維持費比較】ガソリンとディーゼルモデルの価格差約30万円あるも、税金や燃料代を考えるとディーゼルが買いだった

昨今のマツダといえばディーゼルモデルが人気を集めている。とくにSUVモデルのCX-5やCX-8はガソリンモデルよりもディーゼルを選ぶユーザー半数以上を占めている。だが、価格面からガソリンモデルを購入する人も多いという。そこで今回はマツダ CX-5のガソリンとディーゼルモデルにフォーカスし、ランニングコストを比較。価格差は約30万円あるのだが、どのくらい走行すれば元が取れるのか? 結論からいえば、納車後のランニングコストを抑えるならばディーゼルをお勧めする。

マツダ 新型CX-5 XD 特別仕様車 Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)[2020年12月3日一部改良モデル](ボディカラー:ソウルレッドクリスタルメタリック)

燃費と燃料代の安さが魅力! ディーゼルの環境性能が見直されたのはCX-5があったからこそ

マツダ CX-5の初代モデルが登場したのは2012年のこと。当時の日本ではディーゼルエンジンに対して黒いススを排出することから「環境に悪い」というイメージが強かった。だがマツダが開発した新世代エンジン「スカイアクティブD」は低燃費かつ環境に優しいという魅力たっぷりの内容であった。しかも当時の新車市場はプリウスなどに代表される環境対応車に注目が集まっていたこともあり、初代CX-5は瞬く間に人気車種に。

そして2017年に登場した2代目CX-5もまた、ディーゼルモデルの人気が根強いのだった。だが、ガソリン(20Sプロアクティブ290万9500円)とディーゼルモデル(XDプロアクティブ322万8500円)を同グレードで比較すると約30万円の価格差があるのだ。そこで、今回は両者のランニングコストを比較してみよう。

【燃料代比較】ディーゼルはガソリン車に比べ年間2万円以上も安く済む

ディーゼルモデルのメリットは燃料代は安いだけでなく、アクセルを少し踏んだだけでもパワフルな加速をしてくれる点にある。2.2リッターという排気量ながらガソリン車に換算すると4リッターエンジン相当のパワーの持ち主なのだ

まず最大の違いは燃費にあり、20SプロアクティブはWLTCモードで14.6km/L、対するXDプロアクティブは17.4km/Lとリッターあたり2.8kmの違いがある。これだけ見てもディーゼルモデルの方が有利であるのだが、それに加えて燃料代にも差があるのだ。20Sプロアクティブの燃料はレギュラーガソリンで※153円。対するXDプロアクティブの燃料は軽油であり、リッターあたり※133円となっている。

CX-5の燃料タンクはどちらも56Lであるため、ガソリンモデルを満タンにすると10万674円、一方のディーゼルモデルは7448円という計算になる。リッターあたりの燃料代が安いために、ディーゼルモデルに軍配が上がるイメージだ。

年間走行距離を1万キロと仮定すると、ガソリンモデルの場合9万6585円。ディーゼルモデルは7万6475円と2万110円も燃料代を抑えられる計算となるのだ。

※2021年6月1日現在の全国平均価格

【税金比較】減税対象はディーゼルだけ!

内装はガソリン/ディーゼルともに大きな違いは存在しない。唯一異なるのはガソリンモデルのシフト横に設置されているスポーツモードボタンが備わるか否かである

そして自動車税にも違いがある。20Sプロアクティブの場合、2リッターエンジンのため3万6000円。対してXDプロアクティブは2.2リッターエンジンは4万5000円と、差額は9000円あるのだった。ただディーゼルモデルは75%減税されるため初年度の負担額は1万1000円と、かなり抑えられる。

そして購入時に納める税金にも差がある。結論からいえばディーゼルモデルは自動車税と重量税が減税対象のために、圧倒的に価格を抑えられるのだ。対してにガソリンモデルは先の4万3800円の自動車税に加えて、重量税は4万9200円と10万円近い税金を納めなければならないのだった。

今回は購入する際に悩むユーザーも多いであろう、CX-5のガソリンとディーゼルモデルの維持費を比較。車両本体価格は30万円程度違いがあるものの、燃料代や後に支払う税金を考えればディーゼルがお勧めという結果であった。

ただ注意したいのはディーゼルモデルが得意とするのは長距離移動だ。高速巡航が多いほど燃費も伸びやすい性格のために、実際にどんなシーンで使うことが多いのか? などを考えて上でパワートレインを選んで欲しい。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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