大和に冒険や登山の専門書店 極地冒険家・荻田泰永さんがオープン コロナ禍でも彼の地に思いはせ

著書を手にする荻田さん=大和市福田

 神奈川県愛川町在住の極地冒険家・荻田泰永さん(43)が5月、大和市福田の活動拠点に、冒険や登山に関連する本を集めた専門書店をオープンさせた。コロナ禍による外出自粛が続く中、本を通じてその楽しさを紹介し、独自の文化的活動につなげる考えだ。

 書店は、2019年10月に小田急線桜ケ丘駅東口前のビル2階に開設した「冒険研究所」の一角に設けた。広さ約80平方メートルで、冒険や旅行、登山をテーマとしてルポルタージュや小説など古本と新刊合わせて約3千冊をそろえた。荻田さんが収集した貴重な資料も公開し、無料で閲覧できるコーナーも近く設ける。

 きっかけは、20年3月に新型コロナウイルスの感染拡大で、学校が一斉に臨時休校になり、子どもたちを一時預かるために施設を開放したことだった。子どもたちや保護者と交流する過程で、今回の取り組みを思いついたという。

 荻田さんは「子どもたちがわくわくするような場所をつくりたかった。感染収束後に思い切って野外で体を動かせるよう、いまは本を読んで知的好奇心を広げてほしい」と話す。改装や本の購入にかかる費用はクラウドファンディング(CF)で募り、オープンにこぎつけた。

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