【マーティ&風男塾 昭和ソングって素敵じゃん】昭和生まれのアラフォー~アラ還が懐かしむ日本の歌手や楽曲を、平成生まれ世代や外国生まれのミュージシャンはどう聴くのか? マーティ・フリードマンと風男塾の紅竜真咲、桜司爽太郎が日本の懐メロの魅力を分析します。今回のテーマはクリスタルキング。大ヒット曲「大都会」とアニメ「北斗の拳」の主題歌「愛をとりもどせ!!」は3人にどう聞こえるのか? 曲を聴きながら読んでみてください。
【クリスタルキング論】
――今回は桜司さんが挙げたクリスタルキングです。1979年発売のデビュー曲「大都会」がいきなりミリオンセラーに。「ザ・ベストテン」で8週連続1位を記録した、アラフィフ世代以上なら知らぬ人はいない大ヒット曲です
紅竜:合いの手のギターがけっこう入りますね。この連載でマーティさんと話してから気にするようになりました。
マーティ:その前は考えたことなかったですか?
紅竜:なかったです。これって日本ならではなんですね。合いの手文化があるからかもしれないですね。
マーティ:でも僕がプロデューサーだったら、こんなにギターは入れません。常に音が目立ったら、ギターの特別感がなくなっちゃうじゃん! ポップミュージックでこんなにギターの音が聞こえるのはありがたいけど、僕ならソロはしっかり弾いて、あとは控えめにします。これは好みの問題だね。
桜司:印象的なボーカルはどうですか? 実は自分は以前、キーをさらに上げてこの曲の高音パートを歌ってました。高い声の方が得意なので、歌いやすかったです。突き抜けるような田中昌之さんの高い声は、自分的にはとても好きです。
マーティ:ボーカルはうまい系じゃん。だけど僕は男性の高音が苦手なんですよ。
桜司:意外ですね。
マーティ:それから、気になるのはギターのチューニングがちょっと怪しいことです。なんでプロデューサーは「もう1テーク」と言わなかった? きれいなハイトーンで頑張ってすてきに歌ってるのに、チューニングが悪いギターが邪魔しちゃってます。
紅竜:チューニングが怪しいままでも良かったんですか?
マーティ:昔はアバウトでした。ビートルズだってギターのチューニングが怪しいです。今はオートチューニングとかあってちゃんとしてます。ギターの音が怪しいと、ボーカルが下手に聞こえちゃいます。
――風男塾の2人は古さとか感じますか?
桜司:古さは特に感じず、いいなぁとスッと入ってきました。でも今日、マーティさんの言葉を聞いて、確かにギターが気になるかも、と思いました。
マーティ:もしかしてその前は気にならなかったですか?
桜司:全然気になってなくて、むしろギターがかっこいいと思ってました。
マーティ:そこですよ! 僕はギターやってるからギターが出過ぎているのと、チューニングが気になりました。でも本当は何も問題ないかもしれない。僕がプロデューサーだったらギターを直すか抜きますが、結果的にこの曲は大ヒットしたじゃん。もしかしたら弾き過ぎも、チューニングの悪いギターも、ヒットの理由かもしれない。何かの魔法が生まれて。
――そこがヒットのわからないところですね。もう一曲、84年発売の「北斗の拳」主題歌も聴いてみましょう
紅竜:あ、これもクリスタルキングなんですか。「大都会」のイメージが強いです。この曲、めちゃインパクトがあって印象に残りますね。
桜司:斬新ですね。
マーティ:最初の「YouはShock」ってどういう意味ですか?
――正確なところはわかりません。35年前の出川イングリッシュですね
マーティ:実は僕はそういう英語大好きです。アイドルが歌うとかわいく聴こえます。曲はかなり変態です。
☆ふだんじゅく=男装ユニット。「人を元気にする」という活動理念のもと、歌やパフォーマンスを行うほか、男性ファッション誌のモデルも務めている。11月6日にニューシングル「sunny」をリリースした。
☆マーティ・フリードマン=米・ワシントンDC出身のギタリスト。1990年から2000年までメガデスに在籍。04年から拠点を日本に移し幅広いジャンルで活躍。11月26日、モーションブルー横浜で「秋!横浜の宴」ライブを開催。