コロナ禍での東京五輪開催決定を〝世界的危機〟と海外メディア「変異種をばらまく」

東京五輪が行われる国立競技場

開催が正式決定した東京五輪が世界中に新型コロナウイルスの変異種をばらまく危機に直面しているとカナダの公共放送局「CBS」が伝えた。

開幕まで50日に迫る中、国際オリンピック委員会(IOC)や組織委員会、日本政府は新型コロナウイスの収束が見えない中、今夏の五輪開催を明言している。世論調査では約8割が開催に反対し、ボランティアも約1万人が辞退。医療関係者からも中止を求める声が高まっているが、同メディアは「大会が行われる可能性は100パーセント」と伝える。

同メディアは医療の専門家から「停止することを要求している。大会が昨年延期されたときよりも高い死亡率でワクチンの展開はゆっくりで、現在は毎日50万回の接種が行われているが、真の目標は、その2倍。接種率はわずか3パーセントで先進国で最低だ」とし「大会を行うべきか? ムリだと思う」との見解が出ているという。

五輪中止を求める声が強まる中、同メディアは「東京の病院では五輪の開催で兆候がある(新型コロナウイルスの)変種を恐れている」と指摘した上で、ミネソタ大学感染症研究・政策センターのマイケル・オスターホルム所長が「オリンピックが世界中のウイルス感染源になる可能性は確かにあります」とコメントしたという。

同メディアは「オリンピックが開催されたとしても、約200か国から約1万5000人の選手が帰国しなければならない。そして、オリンピックが開催された場合、私たちは世界中で別のパンデミックに直面している可能性がある」と指摘し、五輪開催が世界に危機をもたらす可能性を伝えている。

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