【体操】内村航平、東京五輪へ〝無〟の境地「ビックリするくらい何も考えていなかった」

内村航平

体操の五輪個人総合2連覇・内村航平(32=ジョイカル)が14日、全日本種目別選手権(5日開幕、群馬・高崎アリーナ)の公式練習で東京五輪代表枠獲得へ最後の調整を行った。

6種目のオールラウンダーとして戦った過去2大会(ロンドン、リオ)とは違い、東京大会は種目別・鉄棒に絞って出場を狙う。個人の「1枠」を巡り、現時点で跳馬の米倉英信(24=徳洲会)と一騎打ちムード。その状況を問われると「あまり気にしてないといいますか…」と切り出し、こう胸の内を明かした。「自分は自分なので。どの試合も他人と勝負しているというより、自分のやるべきことをやってきた。相手とか、誰がどうであろうと自分は自分だって言い聞かせて、やれることをやる。ただシンプルにそれだけかなと思います」

キングの視界には「自分」しか映っていない。さらに、開幕まで50日を切った東京五輪についても「無」の境地だ。

「ビックリするくらい何も考えてなかったですね。自分の中で、本当に鉄棒の演技のことしか考えていない毎日を過ごし、五輪がどうとか代表になるとかは、本当に自然と考えなくなっていた。こういう情勢だからっていうのも関係してくると思うんですけど」

あくまでも目標は「自分が納得する」演技だけ。仕上がりは金メダルを取った2大会を彷彿とさせるように「もう本当に考えずにできるところまで研ぎ澄まされているかなと思います」と自信をのぞかせた。

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