ソフトバンク交流戦セ主催試合でいまだ0勝… 甲子園に2度響いたタメ息

9回二死二塁もソフトバンク・栗原が阪神・藤浪に抑えられ終了した

王者らしくない戦いが続いている。ソフトバンクは4日の阪神との交流戦(甲子園)に1―6で敗れた。

先発の石川が初回と2回に2点ずつを失い主導権を握られると、攻撃陣が反攻の機会を生かせず寂しい敗戦。過去15年で8度制している交流戦で、常勝軍団がどうにも波に乗れない…。

人数制限のある甲子園に少数ながら陣取った鷹党のため息が、痛いほどに響いた。まずは2回の攻撃だ。柳田の中前打、中村晃の四球で無死一、二塁の好機をつくりながら後が続かなかった。さらに悲痛なため息が漏れたのは6回。栗原の四球、柳田が相手失策で出塁して、再び無死一、二塁の場面をつくった。

だが、ここも後続の3人が倒れ無得点。序盤に4点を先制された展開だけに、2度目の好機凡退時は、鷹党のため息がさらに深かいものとなった。

さらにその直後、石川が阪神の怪物ルーキー・佐藤輝に中押しの適時打を献上。試合の流れが決まった瞬間だった。

名古屋で2敗1分け、横浜でも2敗1分け。まだセ・リーグ主催試合で一度も勝てていない事実は受け入れがたい。最強リリーフ陣の森、モイネロが離脱中で、打線の軸を担うグラシアルも欠くなど戦力的不安はあった。だが、それを抜きにしても王者の怖さを感じられない。

戦力を削がれた中での交流戦で「得意なイメージがあることをプラスに捉えて戦えれば…」という声もチーム内にはあった。得意の交流戦で辛抱しながら星を稼ぐ青写真もあったはずだが、蓋を開ければ現実は甘くない。かねてDH制の有無に関係なく強かったソフトバンク。王者に異変が起きている。

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