世界最大級 「ティラノサウルス」の複製設置 長崎市恐竜博物館

「獲物に襲いかかる瞬間」を再現したティラノサウルスの骨格標本レプリカ=長崎市

 長崎市野母町に10月29日オープンする市恐竜博物館で4日、目玉展示物となる肉食恐竜ティラノサウルスの全身骨格標本レプリカが設置された。オランダにある世界最大級(全長13メートル)の化石を忠実に複製し「獲物に襲いかかる瞬間」を再現した。
 元の化石は、米国の約6700万年前(白亜紀後期)の地層から2013年に発掘された。長崎市の姉妹都市ライデン市の国立自然史博物館「ナチュラリス生物多様性センター」に標本として展示している。本物の化石部分が8割を占め、雌とみられ「トリックス」の愛称で呼ばれている。
 レプリカの部品は3Dプリンターを使ってPLA(ポリ乳酸)樹脂で制作し空輸。専門業者が腰、背骨、尾、脚、手、頭の順に組み立てた。オランダの実物より頭を上げたポーズにして迫力を増した。色も実物に合わせて焦げ茶にした。
 市立野母崎小3年の約30人が作業を見学。市担当者が「トリックスのレプリカはここでしか見られない」と説明した。山口友奨君(8)は「大きくて本物かと思った。(同時に複製展示される植物食恐竜)トリケラトプスも見てみたい」と話した。

10月29日のオープンに向け展示物の搬入が始まった長崎市恐竜博物館

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