ホンダ、真岡の生産拠点を25年に閉鎖 従業員900人は配置転換 海外での部品調達など影響 

ホンダが2025年中の閉鎖を発表したパワートレインユニット製造部=4日午後4時40分、真岡市松山町

 ホンダは4日、栃木県真岡市松山町の四輪車部品の生産拠点「パワートレインユニット製造部」について、2025年中に生産を終了し、閉鎖すると発表した。製造するエンジンやミッション関係の部品の海外での生産、調達が進み、国内からの供給量が減ったほか、駆動系の生産品目が減少したため、生産体制を見直した。従業員約900人(1日時点)の雇用は維持し、別の国内事業所へ配置転換する。

 ホンダによると、パワートレインユニット製造部は1970年12月設立。エンジンバルブやクランクシャフトなどのエンジン部品、エンジンの回転を切り替えて駆動系に伝えるミッションギアなどミッション部品といったパワーユニット部品を製造し、国内や海外の生産拠点に供給している。

 一方、中国など海外拠点でもパワーユニット部品を生産しており、その拡大に伴い現地調達が進み、真岡を含む国内からの供給量が縮小している。ガソリン車やハイブリッド車の構造変化に伴う駆動系の生産品目も減少している。

 ホンダは2017年に四輪車生産体制の見直しを発表しており、「生産の効率化、生産能力の適正化を推進する中で決定した」(ホンダ広報部)としている。

 約900人の従業員は正社員と嘱託社員で、4日に25年中の生産終了の方針決定を伝えたという。雇用は継続し、個々の専門性や職場経験などを含め、配置転換する。生産終了後の跡地利用は未定。同部を拠点とするソフトボール部の存続については今後、検討する。

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