和歌山県の人口、戦後最少92万3千人 20年国勢調査

国勢調査人口(和歌山県紀南地方)

 2020年10月1日現在の和歌山県の人口は、戦後最少となる92万3033人(速報値)だったことが、国勢調査で分かった。県が4日に発表した。前回調査の5年前より4万546人(4.21%)減少。減少数と減少率は、調査開始以来、過去最大となった。

 国勢調査は5年ごとに実施している。調査が始まったのは100年前の1920(大正9)年で、75万411人。増加傾向が続いたが、85年の108万7206人をピークに減少傾向となった。

 戦後では、45年の代わりに調査した47年が95万9999人と最少だったが、2020年はこれを下回った。

 前回比で減少したのは、00年から5回連続で、減少率は拡大している。00年の前回比減少率は0.97%(1万523人)、05年は3.17%(3万3943人)、10年は3.26%(3万3771人)、15年は3.85%(3万8619人)。20年は減少率4%、減少数で4万人を初めて超えた。

 一方、世帯数は調査開始時から増加傾向にあり、1世帯の平均人数は減少傾向となっている。1920年は16万1742世帯で平均4.64人だったが、2020年には39万4455世帯、2.34人となった。

■田辺は4800人減 上富田は増加

 5年前より27市町村が減少した。減少数は多い方から和歌山市7296人(2.00%)、田辺市4864人(6.51%)、紀の川市3760人(6.00%)、海南市3460人(6.67%)。

 減少率は高い方から、古座川町12.24%(346人)、九度山町11.83%(518人)、高野町11.43%(383人)、すさみ町10.66%(440人)。

 一方、3市町で人口が増えた。増加率は上富田町が最も高い1.67%(251人)。岩出市が1.01%(541人)、日高町が0.42%(32人)となった。

 このほかの印南町以南の減少率と減少数は、印南町4.29%、346人▽みなべ町7.21%、919人▽白浜町5.87%、1263人▽串本町9.60%、1589人▽那智勝浦町9.81%、1538人▽太地町9.39%、290人▽新宮市7.31%、2144人▽北山村9.42%、42人だった。東牟婁郡は全ての町村で9%を超えて減少した。

■県人口の4割が和歌山市

 県人口に占める地域の割合は、和歌山市が38.66%と4割近くを占めている。次いで紀の川市・岩出市の12.23%、田辺市・西牟婁郡の11.82%。海南市・海草郡が最も少ない6.14%で、次に新宮市・東牟婁郡の6.71%となっている。

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