ソフトバンク・柳田悠岐外野手(32)が5日の阪神との交流戦(甲子園)で大激走を見せ、チームの士気を高めた。
0―2で迎えた6回、一死から中前打で出塁。続く真砂勇介外野手(27)の左中間への三塁打で一塁から猛スピードで生還した。三塁コーチャーの村松コーチが大きく腕を回すのを確認すると、大きなストライドでさらにスピードアップ。最後は頭から滑り込む大迫力の生還に、鷹ベンチは大盛り上がり。ベテランの松田、川島が大きくガッツポーズをつくり、主砲を迎え入れた。
ベンチに戻った柳田は、口元を何度も拭う仕草を見せて、天真爛漫に「砂マズっ!」とストレートな感想。元気のないチームを鼓舞する好走塁だった。
適時三塁打を放った真砂は、柳田がかねて自主トレに帯同するなど面倒を見ている一番弟子。この日、5番に抜擢され劣勢の展開で師匠と〝反撃スイッチ〟を押した27歳は「ギータさんが塁に出て『チャンスを広げていくんだ』『自分で流れを変えるんだ』という強い気持ちで打席に入りました。ギータさんがよく走ってくれました」と、興奮ぎみに貴重な一打を振り返った。
これでチーム全体に火がつくと、直後に甲斐が逆転2ラン。鮮やかな攻撃で中盤まで苦戦した阪神先発左腕・伊藤将を攻略した。
かねて小久保ヘッドコーチが「このチームは柳田のチーム」と語ってはばからない。たくましすぎる男が、全身全霊のプレーで低調な鷹を勇気づけた。