横田滋さん一周忌 川崎駅で家族写真展、めぐみさんらの帰国願う

多くの人が足を止めた「めぐみちゃんと家族のメッセージ~写真展」=JR川崎駅北口自由通路

 川崎市は5日、JR川崎駅北口自由通路で「めぐみちゃんと家族のメッセージ~写真展」を開いた。北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の父滋さんが昨年6月5日に亡くなり、一周忌に合わせて開催した。滋さんが家族を写した写真など約50点を展示し、行き交う市民に拉致被害者の一日も早い帰国の実現を訴えた。

 写真展は市民の拉致問題への関心を深めてもらおうと、定期的に実施している。昨年からは、「3密」を避け、より多くの人に見てもらおうと、公共施設の屋内ではなくターミナル駅などで開催するようになった。

 この日は、めぐみさんの母・早紀江さん(85)と同じマンションに住む支援団体「あさがおの会」から新たに借りた写真10点も用意。市の取り組みを紹介したパネルなども併せて掲示した。通行人らは、めぐみさんが兄弟と遊ぶ姿などが写った写真に熱心に見入っていた。

 新聞で写真展の開催を知り、駆け付けた主婦(76)は「拉致は非常に悲しいこと。どうして早く帰国させてあげられないのでしょうか」と目に涙を浮かべていた。

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