フェラーリのルクレールが2戦連続のポール獲得。角田裕毅は8番手も終盤にクラッシュ【予選レポート/F1第6戦】

 6月5日現地時間16時、F1第6戦アゼルバイジャンGPの予選が行われ、フェラーリのシャルル・ルクレールが2戦連続のポールポジションを獲得した。

 気温は26度、路面温度は50度というコンディション。FP3でクラッシュを喫したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はマシン修復が間に合い予選に出走することができたが、パワーユニットトラブルに見舞われたジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)は修復が間に合わなかった。

 Q1ではクリアラップを取るべく多くのマシンがセッション開始前からピット出口に行列を作る。不振が続くメルセデスAMG勢はソフトタイヤが4セットしか残っておらず、ここでミディアムタイヤの新品を投入する。

 各車がアタックを開始するなか、セッション開始から3分で先頭のルクレールだけがタイムを記録した段階でランス・ストロール(アストンマーティン)がターン15で曲がりきれずウォールにヒットして右フロントを壊し、ターン16出口にストップしてセッションは14分1秒を残した時点で赤旗中断となった。

 セッションは16時15分に再開。ラッセル車はこの中断の間に修復が完了し、予選出走を果たすことができた。

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)

 レッドブル勢とフェラーリ勢は途中まで使ったソフトタイヤを再び装着してコースインするが、メルセデスAMG勢など他車はここで2セット目の新品のソフトを投入している。

 まずフェルスタッペンが1分41秒760のトップタイム、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が0.208秒差の2番手タイム、カルロス・サインツ(フェラーリ)が0.361秒差の3番手タイムを記録したところで、今度はアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がターン15で曲がりきれずバリアにクラッシュして赤旗。タイムを記録できたのはレッドブル勢、フェラーリ勢、アルピーヌ勢、ハース勢、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)とラッセルのみでまだ10台がタイムを出せていない状態で、残り9分22秒で2度目の赤旗中断となる。なおランド・ノリス(マクラーレン)はこの赤旗が出た際にピットインせずメインストレートを通過してしまったため審議対象となっている。

 セッションは16時29分に再開となり、まだタイムが出せていない10台を含め7番手フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)以下が中古のソフトタイヤでコースイン。ウイリアムズ勢、ハース勢は新品ソフトを投入する。上位勢も中古のソフトでコースインし、エステバン・オコン(アルピーヌ)以外の全車が路面の向上によるタイム向上に備える。

 ここでようやく各車が2周のアタックラップ計測を行い、途中でアタックを辞めたフェルスタッペンを上回ってルイス・ハミルトン(メルセデス)が1分41秒545でトップに立つ。

 クラッシュを喫したストロールとジョビナッツィに加えてハース勢とニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がQ1敗退となり、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は11番手でQ1を通過した。

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ミック・シューマッハー(ハース)

 Q2は16時46分に開始。各車とも新品のソフトを投入してまずは押さえのタイムを記録しに行く。アルファタウリ勢とキミ・ライコネン(アルファロメオ)、ラッセルはすぐには出て行かず3分ほど時間をおいて隊列とは別のタイミングでコースインをする。

 まずはフェルスタッペンが計測2周目で1分41秒625を記録しペレスに0.005秒差でトップに立つ。ハミルトンも0.009秒差の3番手タイムを記録し、角田は計測1周目の12番手から計測2周目で4番手に浮上。

 残り3分で各車が新品のソフトに履き替えて再びコースインし最後のアタックに臨む。しかし残り1分29秒の時点でダニエル・リカルド(マクラーレン)がターン3で左フロントをロックさせて真っ直ぐバリアにクラッシュし、Q2はここで終了となる。

 これで11番手ベッテル、12番手オコン、13番手リカルド、14番手ライコネン、15番手ラッセルがQ2敗退となった。角田裕毅は自身初のQ3進出を果たした。

 Q2の1回目のランで2周計測を行ったフェルスタッペンや角田は5周走行のソフトタイヤで決勝をスタートすることとなった。

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)

 Q3は17時9分にスタート。気温は25度ながら路面温度は44度まで下がっている。

 ノリスとアロンソは中古、それ以外の各車が新品のソフトでコースインし、新品ソフトが1セットしか残っていないメルセデスAMGもいきなり新品でアタックに臨む。アルファタウリ勢はここでもしばらくガレージで待機してアタックのタイミングをずらし、残り6分30秒でコースインを果たす。

 1回目のアタックでトップに立ったのは、セクター3でハミルトンの2秒後方を走りスリップストリーム効果を得たルクレールで1分41秒218。2番手にやはりバルテリ・ボッタス(メルセデス)の2秒後方でスリップストリーム効果を得たハミルトンが0.232秒差。フェルスタッペンは単独走行で0.345秒差の3番手、ペレスは0.699秒差の6番手に留まった。

 単独アタックを行うピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)はここで0.347秒差の4番手、角田は0.993秒差の8番手に付けた。

 残り3分を切ったところで各車が最後のアタックに入り、メルセデスAMGだけが中古のソフト。隊列の先頭でコースインしてしまったボッタスはスローダウンしてルクレールを先に行かせ、スリップストリーム効果を狙おうとする。アタックを終えたアルファタウリ勢も集団の後ろについてスリップストリームを使って最後のアタックへと入る。

 ここで角田がターン3で右フロントをロックさせて曲がりきれずバリアにクラッシュ。またしても赤旗で予選は終了となり、どのマシンも最終アタックができないままルクレールの2戦連続ポールポジション獲得が決まった。2番手はハミルトン、フェルスタッペンは満足なアタックができないまま3番手、4番手ガスリー、5番手サインツ、6番手ノリス、7番手ペレス、8番手角田、9番手アロンソ、10番手ボッタスという予選結果になった。

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)&シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP 2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

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