豪ソフト代表は静かな始動 太田で非公開の初練習 帰りに手を振り「こんにちは」

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グラウンドを走るオーストラリアの代表選手=太田市運動公園野球場(市提供)

 東京五輪に向けて群馬県太田市で事前合宿中のソフトボール女子オーストラリア代表が5日、市運動公園野球場で初練習を行った。新型コロナウイルス感染防止のガイドライン提出などの準備が間に合わず非公開となり、ボールやバットの音のみが響く、静かな初日を迎えた。公園にいた市民から歓迎やエールを送る声が上がる一方、コロナ禍の中での活動開始に、複雑な思いを打ち明ける人もいた。

 同選手団は太田市内のホテルでPCR検査を受けた後、午前9時40分ごろにバスで会場に到着。数人の市民に対して手を振ったり、スマートフォンで撮影したりしながら、パイロンで仕切られた通路を進んだ。関係者によると、球場内は随所にアルコール消毒液が設置され、使用後は市職員らが消毒作業を行うという。

 選手はストレッチやランニングをした後、キャッチボールや打撃練習で快音を響かせ、午後2時半ごろ会場を後にした。バスに乗る際、近くで見ていた子どもたちから「頑張って」と声を掛けられると、手を振って「こんにちは」と笑顔で応じていた。

 代表チームは過去の国際大会でも同市を訪れており、ロバート・ハロー監督は「第二の故郷のように感じている。戻って来られてうれしい。試合への準備を始められることを幸せに思う」とコメントを発表した。

 近くのサブグラウンドでサッカーをしていた太田九合小6年の野末翔太君(12)と、太田南小6年の小沼晄大(あきと)君(12)はバスの到着時に選手団を見掛け、「海外のアスリートを近くで見て感動した。背が高くて格好良かった。試合を見てみたい」と大興奮の様子だった。

 家族で散歩に来ていた佐藤節子さん(59)=同市東矢島町=は遠巻きに練習風景を眺め、「距離が遠くて寂しい。選手にはのびのび練習してほしい」と話した。昼食にご当地グルメ「太田焼きそば」の入った特注弁当を配達した男性は「日本の食を楽しみ、練習に励んでほしい」と力を込めていた。

 一方、コロナ禍を背景に懐疑的な人も。公園で散歩をしていた女性(53)は「日本人のワクチン接種が進んでいないのに、海外の選手が来ていいのか。コロナが心配で歓迎する気持ちになれない」と不安を打ち明けた。

 近くに住む男性(80)は「国の方針は中途半端。感染対策は100%の効果ではないのに、人を集めて練習するのはおかしい」と指摘。選手に対しても「こんな状況で練習していてかわいそうだ」と同情していた。(時田菜月)