体操の五輪個人総合2連覇・内村航平(32=ジョイカル)が6日、全日本種目別選手権(群馬・高崎アリーナ)の鉄棒決勝で15・100点をマークし、東京五輪出場を決めた。
個人枠を争っていた跳馬(2本平均15・150点)の米倉英信(24=徳洲会)に僅差で競り勝って4大会連続出場を決めたが、この日は不満が残る演技となった。
最終演技者として登場した内村はH難度のブレトシュナイダー(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)、カッシーナ、コールマンなどの離れ技を成功させたが、アドラー1回ひねりがダブルスイングとなって減点。演技後は悔しさをにじませた。
試合後、内村は開口一番で「もうね、ダメです。ポイントで競っていた米倉選手にすごく申し訳ない。やっぱり代表を勝ち取るんだったら、しっかりいい演技をしたかった」と反省の言葉を並べた。
米倉とは選考レースのポイントで同点となりタイブレークの末に制した。内村は「着地した時は五輪にはもう行けないなって思っていた。それで行けたよって言われても、うれしいというより、これでいいんだろうかって気持ちのが大きくて…」と戸惑いを見せた。演技後、米倉のところへ行って「本当に申し訳ない」と言ったという。
4大会連続出場で「キング」「レジェンド」の金看板をほしいままにしているが「今日の鉄棒ではレジェンドとかキングとか言えないですよね。もっともっと練習しなきゃいけないと思う」と最後まで反省。それでも最後は「今までの経験などを下の代に伝えていかなければいけないと思っている。演技以外にも役割はあると思うので、そういう意味で鉄棒以外にも頑張ってきたい」と東京五輪への意気込みを口にした。