【詳報】野澤氏、正式に出馬表明 上越市長選 「市民に寄り添い歩みを」

 今秋の上越市長選(10月24日告示、31日投開票)について、前同市副市長の野澤朗氏(63)が6日、同市新光町1に開設した事務所で記者会見を開き、「来る上越市長選に向け、政治活動を開始する」と述べ、正式に出馬表明した。

市長選へ向け会見する野澤氏

 出馬理由について、少子高齢化や人口減少の社会的な状況により「地域や市全体の活力が失われつつある。コロナ禍の未曽有の状況にあり、まさに正念場と思っている」と捉え、「どういう方向に踏み出すかでこのまちの将来が大きく変わる分岐点。上越市が可能性に満ちたまちであると信じ、今ここで市民の皆さんの知恵と力を合わせて、未来へ向けて歩みを進めていくべきだと確信した。市民の皆さんと力を合わせ、大好きなこの上越市をよりよいまちにしていきたいと強く思っている」と話した。

 5月25日に「上越の未来創造実践研究所」を立ち上げ、翌26日に県選挙管理委員会に政治団体として届け出た。この日の会見は、自ら代表を務める同研究所が主催。同氏を支持するメンバーが同席した。

 目指す市長像については「サーバントリーダーシップ」を掲げ、「市民に奉仕する考えを持ち、その上で導きたい。市民や職員が持っている力を肯定し、信頼関係を築いていく。寄り添い型のリーダーシップ」と訳した。「市長としてメッセージを出し続け、市民や職員の意識を前に向けていくことが重要」と発信力も掲げた。

 公約は1か月後をめどに示すとしつつ、ベースとなるテーマとして、地域の特徴を生かしながら「旧14市町村のバランス良い成長」や「上越市を愛する全ての人たちとつくる未来」「対話と納得」などを挙げた。

 市長選における自身の立場は「紛れもなくチャレンジャー」と強調。村山市政について「財政改革や土地開発公社、三セクの問題にぶれることなく、果敢に挑戦され、素晴らしい成果を出された」と評価。後継かを問われ「市長自身そう思っていらっしゃらないと思うし、現実にそうお声掛けされていない。私自身が市長になりたいから」と説明した。

 野澤氏は上越市出身、新潟大教育学部卒。昭和55年に上越市に入庁し、企画・地域振興部長、健康福祉部長、教育部長、教育次長などを経て、平成29年に教育長、昨年4月から副市長を務め、先月21日に退職した。

 市長選にはすでに、元市議の中川幹太氏(45)と佐渡市の行政書士、後藤浩昌氏(60)が出馬を表明。現市議で元市長の宮越馨氏(79)の動向も注目されている。

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