“映画看板の街”東京・青梅に 50年ぶりに映画館が復活

名作映画の看板や昭和レトロの街並みで知られる東京・青梅市に、およそ50年ぶりとなる映画館がオープンしました。

青梅市で築80年を超える木造建築・旧都立繊維試験場をリノベーションして新たな姿へと生まれ変わったのは、映画館の「シネマネコ」です。当初は5月2日にオープンするはずでしたが、緊急事態宣言の影響でやむなく延期となりました。

しかし映画館を運営する菊池康弘さんはその逆境をポジティブに捉え準備してきました。菊池さんは「1カ月延びてしまったが、お客さまとコンタクトが取れて生の声も聞けた点では貴重な時間だったと感じている」と語ります。

青梅市にかつて3館あった映画館は1970年代に最後の1館が閉館してしまい、それ以来およそ50年ぶりに東京都内唯一の木造映画館として6月4日に復活しました。館内は座り心地の良いフランスブランドの座席に、音響設備も充実、スクリーンの裏にもスピーカーが設置されて迫力ある音響を実現します。

初回上映の作品は映画館の名称にちなんで「猫の恩返し」です。これはスタジオジブリの厚意で配給されたといいます。菊池さんは「きょう無事にオープンを迎えられたのが一番ほっとしている。これだけ多くのお客さまに来ていただいてうれしい」と話しています。

地元の映画ファンのリクエストに応えながら、オープンを支えてくれた人への感謝を胸に、菊池さんの恩返しが続きます。

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