長崎県の対話申し入れ 反対住民「工事中断して話し合いできる環境を」

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県が水没予定地の反対住民13世帯に対話に向けた事前協議を申し入れた文書に対し、住民側の回答内容が6日、分かった。県への強い不信感を表明した上で、関連工事の中断を求め「穏やかな環境で話し合いに臨みたい」としている。
 回答文書は中村法道知事宛て。「現場では工事の強行が常態化し、夜間や早朝の工事でトラブルも発生している」と指摘。県が事前協議を申し入れた後も、新たな箇所での工事や重機の搬入など「話し合いを呼び掛けているとは思えない行動をとってきた」と批判し、「知事が本当に話し合いを望むなら、工事を即時中断して話し合いできる環境を作って」と呼び掛けた。事前協議に応じるかの言及はなく、工事の中断を前提条件としているとみられる。
 県は5月21日付で、知事と住民の対話に向け条件面を詰める事前協議を6月上旬に設けたいとする文書を13世帯に送付した。住民は、県が回答期限に指定した4日に、知事宛ての回答文書を郵送。7日にも県庁に届くとみられる。
 知事と住民の対話は一昨年9月以来、実現していない。

© 株式会社長崎新聞社