【体操】五輪出場決定の内村 衰え知らずの演技に3年後のパリも太鼓判

内村はH難度のブレトシュナイダーを決めて五輪切符をつかんだ(代表撮影)

“着地点”はまだ先だ。体操の五輪個人総合2連覇・内村航平(32=ジョイカル)が全日本種目別選手権(6日、群馬・高崎アリーナ)の鉄棒決勝で2位となる15・100点をマークし、東京五輪出場枠を獲得。4大会連続出場を決めたが、衰え知らずの演技には早くも「3年後のパリ五輪でもできる!」との声が飛んでいる。

この日はダブルスイングのミスがあったものの、H難度のブレトシュナイダー(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)を皮切りにカッシーナ、コールマンなどの離れ業に成功。試合後は「ダメですね。今日はキングとかレジェンドと言えない」と悔しさをにじませたが、内定した東京五輪について「今回は延期もあり、5年に1度の五輪。特別以外の言葉が見つからない」と話した。

かつてキングは東京五輪を「集大成」と位置付けていた。しかし、今年秋には生まれ故郷の福岡・北九州市で世界選手権の開催が決定。東京五輪を区切りにする考えに変化が生じた。さらに、これまでのオールラウンダー(6種目)から鉄棒一本に専念したことで見事な“V字回復”を見せ、選考レースでは国際大会金メダル級のスコアを連発。「東京の先」への夢も広がってきた。

2024年パリ五輪の可能性について、国際体操連盟の渡辺守成会長(62)は「彼はこれまでの常識では測れない。彼ができると言えばできるだろうし、世界はそれを望んでいると思います」。東京大会の審判員に指名されている日本体操協会の高橋孝徳男子審判本部長(52)も「鉄棒一本であれば肩への負担もない。彼の能力からすれば十分に3年後も戦えると思います」と太鼓判を押した。周囲の期待はすでに「東京」を飛び越えている。

理想に掲げる「完璧」な演技について「追い求めた先も見てみたい」と表現したキング。東京五輪金メダルですら通過点でしかない。

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