【詳報】上越市で「NHKのど自慢」 出演18組 思いを歌に込めて

 NHK新潟放送局開局90周年と上越市市制施行50周年を記念した「NHKのど自慢」が6日、同市の上越文化会館で開かれた。ゲスト歌手に小林幸子さん(新潟市出身)、北山たけしさん(福岡県出身)を迎え、市内外から出場した18組が、自慢の喉を震わせた。

 番組生放送は新型コロナウイルスへの対策等もあって1カ月半ぶりの実施となった。同会場で開かれるのは平成21年以来になる。会場600席には、競争率12倍分の応募がある人気ぶり。出場者やゲストへの応援メッセージ、横断幕を掲げた人も見られた。

18組が自慢の喉を披露した

 出場者も、人気漫画「鬼滅の刃」のコスプレをした大学生、99歳の母へ元気を届けたいという女性、43年ぶりに出場した男性、翌日が誕生日の息子へ歌を贈った父親と、年齢も思いもさまざま。チャンピオンには、「奇跡 大きな愛のように」(さだまさしさん歌唱)を歌った川合徹人さん(60、上越市東雲町2)が選ばれた。

チャンピオンに選ばれた川合さん。コロナ禍で頑張る人への励ましと、勇気を込めて歌い上げた

 長年体育教師を勤め、この春に安塚中を最後に退職。大学時代から音楽に親しみ、離任式でもギターを手にこの曲を披露したという。「コロナ禍で行きたい場所に行けない、人と一緒にいられないと、教え子から相談を受けた。頑張っている人への励まし、勇気を込めて歌った」と川合さんは思いを語った。

 ゲストの2人も、本県への思いを語った。「龍神海峡」を披露した北山さんは、魚沼特使を務め、最初にファンクラブができたのが新潟だったことなどを回想。小林さんは平成6年に公開された映画「男はつらいよ 拝啓車寅次郎様」で、上越市高田でロケをした思い出や、母親がバテンレースの日傘を好んでいたことなどを振り返った他、県の木である歌「雪椿」を、歌詞にある冬の厳しさをコロナ禍の厳しい状況になぞらえ、「つらくても我慢をすれば、きっと来ますよ春の日が」と、会場に語り掛けるように歌った。

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