斎藤工、3度見た「ファーザー」について考察披露 「アンソニーの名演だけでは旨味にたどり着けていない」

アンソニー・ホプキンスが認知症の父親を演じ、本年度アカデミー賞主演男優賞を受賞した「ファーザー」が、劇場公開されている。その「ファーザー」を3回見たという斎藤工が、本作についての考察を披露した映像が公開された。

映像の中で斎藤は、「アンソニーの名演は本当に素晴らしいと思うが、あまりにも感想がそれだけでは本当のこの作品の旨味にたどり着けていないんじゃないかと思っている」と語り、その理由として「後半のある視点が意図的に監督によって描かれている。それは施設を出てくるアンが、人の脳から出てくるようなオブジェの奥から出てくるシーン」と、独自の考察を披露している。

「ミニシアターパーク」を立ち上げるなど、映画業界に対し積極的な活動を行っている斎藤は、「見終わった後に『こうじゃないかな』と他者と分かち合うのも映画の楽しみの一つだと思う。映画館が再開した今、いろんな作品を見て考察を話し合う、シェアするということで映画を分かり合えたらなと思っています」と、映画の楽しみについてメッセージを送っている。

「ファーザー」は、歳を重ねることによって誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描いた作品。フランス演劇界最高位のモリエール賞で脚本賞を受賞した、フランス人の劇作家フロリアン・ゼレールの舞台を原作としている。原作舞台は、パリ、ロンドン、ニューヨークなど世界30カ国以上で上演され、日本でも2019年に橋爪功、若村麻由美によって上演された。映画化にあたっては、ゼレール自身が長編初監督作としてメガホンを取っている。本年度アカデミー賞で、アンソニー・ホプキンスが主演男優賞を受賞したほか、脚色賞を受賞した。

【作品情報】
ファーザー
公開中
配給:ショウゲート
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