【EURO展望:グループA】好調イタリア本命も曲者が揃う魅力的な組に

 監督交代が大成功して絶好調を維持しているイタリアが、グループAの大本命。ただトルコやウェールズ、そしてスイスなど曲者が揃い、ある意味最も予想しづらいグループだ。

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イタリア

大舞台でも好調維持なるか
2018年ワールドカップ出場を逃したイタリアは、ジャンピエロ・ヴェントゥーラの後任にロベルト・マンチーニを招聘すると状況が劇的に変化。予選10戦全勝でEURO本戦出場を果たし、勝率は歴代の監督でも最高の数字だ。絶好調のアズーリは、大舞台でも強さを示せるか。

監督
ロベルト・マンチーニ
2018年からイタリア代表を指揮するマンチーニは、予選で3試合を残してEURO出場権を獲得。昨年11月には10連勝で歴代最多記録を更新し、アウェイでも6連勝という偉業を成し遂げた。

キープレイヤー
チーロ・インモービレ
ラツィオのストライカーは、クラブでの活躍を代表で再現するのに苦労している。セリエA過去5シーズンで平均25ゴールをマークする31歳インモービレは、代表では45キャップで12得点に留まり、そのほとんどは格下に挙げたものだ。今大会で彼の真価が問われるだろう。

トルコ

強みの堅守で今大会ダークホース
予選ではW杯王者フランスから4ポイントを奪取したものの、惜しくも首位通過を逃したトルコ。8回のクリーンシートに失点わずか3と、ディフェンスが最大の強みだ。ベテランのブラク・ユルマズの活躍にユスフ・ヤズズが呼応すれば、今大会を賑わす存在になるかも知れない。

監督
シェノール・ギュネシュ
2002FIFA日韓ワールドカップでトルコを3位に導いたのがこの監督。ベジクタシュでリーグタイトルを2回獲得しており、19年前のインパクトを再び与えることが今大会の目標だ。

キープレイヤー
ゼキ・チェリク
リーグ・アンでリールを優勝に導いたチェリクは、今夏にプレミアリーグ挑戦が囁かれる機体の新星。不動の右サイドバックとなりつつあり、サイドの攻防で優位に立つにはチェリクの出来が求められる。

スイス

懸念は主力選手のコンディション
直近のリヒテンシュタイン戦で7発大勝を飾り、公式戦6連勝を達成したスイス。ただこの間に戦った顔ぶれを見ると、彼らがフラットトラック・ビルリー(弱いものいじめ)だった事がわかる。クラブで煮え切らないシーズンを過ごした主力選手の出来が、グループ突破の鍵を握るだろう。

監督
ウラジミール・ペトコビッチ
スイスやイタリアのクラブで監督を務めてきた57歳ぺトコビッチは7月でスイス代表就任丸7年となる。前回EUROやW杯でベスト16に導いた知将は、揺るぎない信念を持ってステップアップを目指す。

キープレイヤー
リカルド・ロドリゲス
ウィングバックのみならず3バックの一角を務めるロドリゲスは、左サイドで安定した供給力を発揮。セットプレーで高精度のボールを送る飛び道具で、ライバルに脅威を与えたい。

ウェールズ

前回の偉業再現は難しいが…
2016年の大躍進を再び行うのは不可能かも知れないが、これまでの主力にエキサイティングな若手が加わった。ダニエル・ジェームズやイーサン・アムパドゥはチームに大きな厚みをもたらしてくれるだろう。

監督
ロバート・ペイジ
ライアン・ギグスの後任として暫定監督を務めるペイジは、世代別で代表を率いた経験を持つ。大会数ヶ月前に起きた負の影響をプラスに変えることがでいるか、注目だ。

キープレイヤー
ガレス・ベイル
チーム成功の鍵は、やはりこの男の出来で左右されるだろう。年齢からもウェールズ代表で最後の大舞台となる可能性が高く、結果を残して立派に代表引退を表明したい。

グループAの状況をチェック Photo Jonathan Moscrop

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