名古屋テレビ放送制作・入管制度の根底にある"非人間性"に心を痛め面会活動をする女性のテレビドキュメンタリー、期間限定で配信!

第47回放送文化基金賞 「テレビドキュメンタリー番組」でメ~テレ(名古屋テレビ放送)制作の「メ~テレドキュメント 面会報告」が最優秀賞を受賞した。放送文化基金賞でのメ~テレの受賞は、第44回 「メ~テレドキュメント 防衛フェリー ~民間船と戦争~」 が、テレビドキュメンタリー番組 優秀賞を受賞して以来。最優秀賞は初の受賞。 なお、 受賞を記念して6月7日からYouTubeメ~テレニュース公式チャンネルで、 本作の配信版を期間限定で配信します。

第47回放送文化基金賞 番組部門 「テレビドキュメンタリー番組」【最優秀賞】

『メ~テレドキュメント 面会報告』

放送:2020年11月21日(土) 午前3時4分~4時15分 プロデューサー:村瀬史憲 ディレクター:小島佑樹・前田怜実 撮影:高田竜也・鈴木崇義 編集:鈴木建晴 音効:小林由香里/MA:犬飼小波 ナレーション:倉橋友和/朗読:中里雅子 題字:安藤慎也

【内容】

西山誠子さん(75)は、 約 10 年に渡って名古屋入管に通い、 収容されている外国人と面会を続けている。 西山さんは、 「入管は“権力”で収容者は“個人”。 第三者の市民が監視しなければ、 人権侵害は必ず起こる」と面会の理由を話す。 非正規滞在が判明した外国人は原則として即時に退去命令の対象となり、 収容される。 しかし収容期間の上限が定められていないため長期間の収容が後を絶たない。 西山さんが支援する家族の中に中国人の少女がいた。 彼女は仮放免の状態で名古屋市内の学校に通いながら社会福祉士になるという目標を掲げるまでに成長したが、 大学に合格した直後に強制送還されてしまう。 強制送還する時期や理由などについて入管が説明することはない。 在留外国人を取り巻く環境が大きく変化したにも関わらず、 現状が制度に反映されていない。 面会活動で問題点を感じていた西山さんは、 入管法の改善点を提案するべく私案を作るが、 病魔が西山さんに襲いかかる。

【受賞コメント】 プロデューサー 村瀬史憲(メ~テレ)

日本社会と在留外国人は既に不可分です。 警察担当の記者だった小島佑樹ディレクターは、 取材先で「仮放免」という言葉をしばしば耳にし、 実情を取材し始めました。 カメラの前で次々と起こる事象が、 入管行政の閉鎖性と不合理を私たちに突き付け、 番組化への意欲を強くさせました。 西山誠子さんは面会活動を通して、 入管制度の根底にある“非人間性”に心を痛め、 日本人の問題として考えるよう訴え続けています。 「小さな行い」と西山さんは謙遜しますが、 信念に基づく一個人の行動が、 絶望の淵に立たされた若者に希望をもたらし、 やがては制度に血を通わせることに繋がるかもしれません。 人が生来から持つ可能性の尊さが伝われば幸いです。

【選考理由】

このたび、 スリランカ人女性の死によって入管法改正案が取り下げになった。 だが、 多くの日本人は「入管」という場所で何が起きているのか、 詳しく知ることはできない。 日本政府は、 安価な労働力として外国人労働者を受け入れてきたが、 在留資格のない人々への措置はあまりにも理不尽で、 人権を無視している。 本作品は、 日本の入管行政という現場で何が行われているのかということを、 一市民である女性が素朴な疑問と怒りから明らかにしてゆく。

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