新潟県阿賀町の集団接種会場「やまぶきの里」においてワクチンを希釈しないまま住民に接種した可能性がある事案発生

新潟県阿賀町は7日午後1時30分頃、阿賀町の集団接種会場である「やまぶきの里」において、ファイザー製ワクチンを生理食塩水で希釈しないまま住民に接種した可能性がある事案が発生した、と発表した。

事案の概要は、ワクチン原液を生理食塩水で希釈し、計77本のワクチン注射器を作成し、接種を開始したところ、ワクチン原液より希釈用の生理食塩水容器が1本残っており、謝って希釈していないもの1本が混在していることに気付いたため、直ちに接種を中断しワクチン注射器を回収したが、すでに14名の住民に接種してしまったもの。

残りの未使用ワクチン注射器63本は回収済み(希釈が確認できた6本を除き、57本は廃棄処分)。なお、原液のまま注射したか、回収済みの注射器に残っているかは確認できていないという。

なお、原液を接種した可能性がある住民14名に速やかに連絡を入れ健康状態を調査した結果、14名全員の体調に以上がないことを確認している。阿賀町でファイザー社にワクチン原液を注射した場合の対応を確認したところ「過剰投与による副反応に関する調査・報告はなく、特別な対応は必要ない。1回目の方は3週間後以降の接種を守ること」との回答を得ているという。念のため14名の住民について、今週末まで毎日健康状態の聞き取りを行い、異常がないかを確認する。

阿賀町では今後、ワクチンの希釈作業において、複数の職員で生理食塩水とワクチン原液の突合確認を徹底し、このようなことが二度と発生しないよう、再発防止に努めるという。

これを受け阿賀町長の神田一秋氏は、「当町の集団接種会場で“希釈しないワクチンを接種した可能性がある事故”が発生しましたことは、あってはならないことであり、原液接種の可能性のある14名の皆様やそのご家族に大変なご心配とご不安をおかけしましたこと、心より深くお詫び申し上げます。また、町民の皆様にもワクチン接種に対しましては大きな不安を与えてしまいましたことにも併せてお詫びを申し上げます。実際に希釈しないワクチンが接種されたかどうか未確認ではありますが、この事故が起こったその直後から、ワクチン充填作業にかかる確認体制を見直し、ダブルチェックの徹底に努めているところであります。今回の事故を受け、再発防止と今後の安全・安心な接種体制を確保することにより信頼回復に努めてまいります」とコメントを発表した。

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