鎌倉で海の安全、準備進む 海水浴場断念も 監視所設置、砂浜飲酒にノー

海水浴場が開設されなかった昨年夏の鎌倉市の由比ケ浜海岸

 昨夏に続き海水浴場開設を断念した神奈川県鎌倉市は、今夏の海岸のマナーや安全対策徹底に向けた準備を進めている。

 昨夏、由比ケ浜海岸でクルーザーが遊泳客のそばを航行した問題を踏まえ、遠方から注意ができるよう放送設備付き監視所を設置する。11日開会の市議会6月臨時会には、今夏の海岸で砂浜での飲酒などをしないよう呼び掛けるマナー条例改正案を提出する。

 海水浴場を開設しなくても夏の海岸には多くの来訪が予想され、安全対策やマナーの徹底が課題だ。

 昨夏は由比ケ浜海岸の遊泳客の近くで50代男性が全長13.5メートルのクルーザーを航行する問題が発生。男性は県迷惑行為防止条例違反(水浴場等における危険行為)の疑いで、湘南海上保安署に書類送検され、不起訴処分となった。昨夏は放送設備がなく遠方からの注意ができなかったため、市は今夏は放送設備付きの監視所を新たに設置することを決めた。

 松尾崇市長は7日の定例会見で「昨年同様にマナーを呼び掛ける。監視所を設置してクルーザー接近など危険な状況をきちんと注意し、けがや熱中症の方が休めるような体制で臨みたい」などと述べた。

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