【大学野球】リリーフエースが完封 名城大150kmサイド右腕の巧みな投球術に監督脱帽

先発した名城大・松本凌人【写真:小林靖】

リーグ戦では主に中継ぎでMVP、監督も「松本に尽きる」と絶賛

第70回全日本大学野球選手権が7日、神宮球場と東京ドームで開幕した。15年ぶり出場の名城大は、初出場の沖縄大に1-0で勝利。2年生のサイド右腕・松本凌人投手が3安打9奪三振で完封した。

常に冷静だった。球数をかけず、ストライク先行で打たせて取る投球を徹底。右打者の内角をえぐる最速150キロの直球と、外に逃げるカットボールで打者を翻弄した。最終回に四球を1つ与えたものの、球威は衰えず。27アウトのうち、フライはわずか2つ。15個のゴロと9個の三振を奪った。

終わってみれば、チームは“スミ1”での初戦突破。四球で出塁した2番・小林大介外野手(3年)が、盗塁と相手ミスで無安打で本塁を踏んだ虎の子の1点を守り切った。

「松本に尽きる」

神戸国際大付時代にサイドスローに転向して頭角

試合後、安江均監督は絶賛した。投手戦は予想していたが、2点目が遠かった試合展開。勝てば翌日も試合が続くが、温存する選択肢はなかった。

「代えるつもりは全くなかったです。心中するつもりでいましたから。後半も球威が落ちず、色々な球と緩急を使って的を絞らせなかったかな」と快投を称えた。

神戸国際大付時代にサイドスローに転向し、頭角を現した松本。進学した名城大では、1年秋にデビューした。今春の愛知大学リーグでは、4勝1敗、防御率1.69でMVPに。登板した9試合のうち先発はわずか1試合だったが、チームに流れを呼ぶロングリリーフを続けた。

2年生ながら、マウンドで漂う貫禄。それでも、松本自身は「バックに助けられた」といたって謙虚。15年前のベスト8を上回るべく、チームは最高のスタートを切った。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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