東西南北

 先週末は、コパ・アメリカをめぐるドタバタにブラジルが釘付けになり、「チッチ監督、ボルソナロ大統領介入で解任か?」の報が流れたときには緊張感も走った。同大会に関しては国民の意見も二分しているが、ネット上では大統領支持派が「セレソンのユニフォームを着るのを拒否する」との運動を起こし、笑い話になっている。セレソンの黄色と緑のユニフォームは18年の大統領選以来、「愛国者」を自称する人たちがボルソナロ氏支持の集会で好んで着ていたもので、それに対し、「セレソンを政治利用した」との批判の声も目立っていた。それだけに、大統領支持派のこの運動に対し、「やっとユニフォームが着れる。ありがとう」と皮肉る声も目立っていた。
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 騒動の陰で忘れられがちだが、4日に行われたサッカーW杯南米予選でセレソンはエクアドルに2―0で勝利した。前半は0―0だったが、後半20分にリシャルリソンのゴールで均衡を破り、試合終了間際にはネイマールがダメ押しのPKを決めた。これでセレソンは南米予選5連勝。次戦は本日8日の敵地でのパラグアイ戦。騒動で何かとうるさく、試合に集中しにくい心労は察せられるが、なんとかベストを尽くして頑張ってほしいところだ。
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 直前のゴタゴタで、開催されるのかどうかさえまだよくわからないコパ・アメリカだが、すでにコロナの専門家たちは6月に第3波が悪化する予測を行っている。コパのはじまりは13日で、終了が7月10日と、その真っ只中で行われることになる。開催を拒否する州が続き、連邦直轄区と三つの州での開催となるが、これらの連邦自治体はみな、集中治療室の占有率が80%以上。各国選手たちによるボイコットの可能性も含め、気になるところ。はたして?

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