ソフトボール女子 長崎商が18大会ぶり頂点 エース川瀬、有言実行の完封 第73回県高校総合体育大会 第3日 

【ソフトボール女子決勝、長崎商―九州文化学園】試合終了の瞬間、完封したース川瀬に笑顔で駆け寄る長崎商の選手たち=諫早市第1野球場

 長崎県高校総合体育大会第3日は7日、ソフトボール女子決勝が行われた。
 七回2死2ストライクから、長崎商のエース川瀬が投じた直球にバットが空を切った。瞬間、18大会ぶりのV奪回を決めた右腕を中心に歓喜の輪が広がる。「よくやってくれた…」。就任13年目、自身も初となるインターハイ切符獲得に、溝口監督は言葉を振り絞った。教え子たちから隠れるように男泣きに泣いた。
 過去17大会、ライバルの九州文化学園を止められなかった。ほかの大会を取っても、県高総体は勝てなかった。そんなチームが今季、春の全国選抜大会で初の3位入賞。例年以上に周囲の期待が大きくなり、それゆえの重圧もあったが、2-0のロースコアゲームを完璧に進めた。
 初対戦のルーキー右腕を相手に、先制したのは三回。2死から四球を選んだ平川が二盗後、黒川の遊撃内野安打の間に一気に本塁を陥れた。四回には中前打の北川を松尾がバントで送り、後田の適時二塁打で2点目を挙げた。
 この日のエース川瀬には、それで十分だった。中学時代、九州文化学園が連覇する県高総体を生観戦して「自分が歴史を変えたい」と“CHOSHO”のユニホームを選択。「ライズ系のボールによく指がかかって、調子が良かった」。最終学年、有言実行の完封に会心の笑みを浮かべた。
 次は夏の大舞台。九州文化学園が2016、17年に2年連続で3位入賞しているだけに、出るだけで満足するわけにはいかない。“全国レベルの予選”を制した自信とライバルの思いを胸に、メダルの色を春の銅から金に変えに行く。

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