マリナーズの超有望株・ケルニックがマイナー降格 打率.096

日本時間6月8日、マリナーズは故障離脱していたシェッド・ロングJr.の戦列復帰に伴い、トップ・プロスペクトのジャレッド・ケルニックをAAA級タコマに降格させたことを発表した。大きな期待を背負ってメジャー昇格を果たし、デビュー2戦目ではメジャー初本塁打を含む3本の長打を放つ活躍を見せたケルニックだが、日本時間5月26日のアスレチックス戦で2安打を記録したのを最後に44打席連続ノーヒット。打率は1割を切って.096まで悪化していた。

2018年ドラフト全体6位指名でメッツに入団し、ロビンソン・カノー、エドウィン・ディアスが絡む大型トレードでマリナーズに加入したケルニックは、「MLB Pipeline」が公開しているプロスペクト・ランキングで全体4位の評価を受けている超有望株。オフシーズンにマリナーズからの長期契約のオファーを拒否していたことが報じられ、マイナースタートとなったことに不満を漏らすなど、メジャーでの活躍に自信を見せていたが、AAA級のようなパフォーマンス(6試合で打率.370、2本塁打、OPS1.043)をメジャーでも披露することはできなかった。

メジャーでは23試合に出場して打率.096(83打数8安打)、2二塁打、2本塁打、6打点、3盗塁、OPS.378という成績。昨年マイナーのシーズンが中止となったこともあり、AA級で通算21試合、AAA級で通算6試合のプレー経験しかないため、メジャーのレギュラーとして起用するのは時期尚早だったのかもしれない。ただし、まだ21歳であるにもかかわらず、1打席あたりの球数が3.92(メジャー平均は3.93)と卓越したアプローチの片鱗を垣間見せていた。

ケルニックに求められるのはメジャーレベルの変化球への対応だ。速球には11%しか空振りしていないのに対し、変化球の空振り率は35.1%へ急上昇。打率.096という数字にはBABIPがわずか.109という不運も影響していたとみられるが、今後はAAA級で変化球への対応を磨いていくことになる。21歳のケルニックはまだメジャーで92打席しかプレーしておらず、「期待はずれ」の烙印を押すには早すぎる。準備を整えて再びメジャーに昇格してくるときには、トップ・プロスペクトの輝きが見られることを期待したい。

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