【柔道世界選手権】迷いなし!丸山城志郎が2連覇 パリ五輪へ最高のスタート

丸山城志郎

気持ちは切れていなかった。柔道の世界選手権第2日(7日、ハンガリー・ブダペスト)、男子66キロ級は、東京五輪補欠の丸山城志郎(27=ミキハウス)が優勝。一昨年の東京大会に続き、世界の頂点に立った。女子52キロ級では志々目愛(27=了徳寺大職)が2017年以来2度目の優勝を果たした。

丸山は昨年12月に行われた阿部一二三(23=パーク24)との東京五輪代表決定戦で、約24分間に及ぶ激闘の末に敗戦。周囲からはメンタル面を心配する声も聞かれたが、指導する天理大の穴井隆将監督(36)によると「戦いが終わってすぐではないが、私と話をする中で前向きになっていった。あの戦いには敗れたけど、そこに向かってやっていく過程っていうのは、私も本人も間違えていなかった。ベクトルの向き方は間違えてなかったよねっていうのは共通して感じた」と収穫を得たという。

だからこそ、丸山に迷いはなかった。穴井監督が「五輪と同じ年に世界選手権が開催されることは普通ないが、丸山は世界選手権の連覇がかかっていたし、代表決定戦で敗れたから今は立ち直れないというようなことをやってきたわけではない」と話していたように、初戦からエンジン全開。準決勝で延長の末に優勢勝ちを収めると、決勝では世界ランキング1位のマヌ・エル・ロンバルド(22=イタリア)に優勢勝ちした。

悔しさを味わった代表決定戦から半年。3年後のパリ五輪へ向け、最高のスタートを切った。

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