国、漁業者側が主張 諫干即時開門請求 控訴審 福岡高裁

 長崎県諫早市小長井町、雲仙市瑞穂、国見両町の漁業者26人が国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の即時開門を国に求めた第2、3陣の訴訟の控訴審第3回口頭弁論が7日、福岡高裁(森冨義明裁判長)であった。国と漁業者側はそれぞれ提出した準備書面で、堤防閉め切りと漁業被害の因果関係などを巡り主張、反論をした。
 漁業者側は、堤防閉め切り前後で発生した赤潮の質や量の変化について分析、考察した堤裕昭・熊本県立大教授の意見書も提出。弁護団によると、今後、堤氏とは別の専門家の意見書を提出し、本人の証人申請もする方針という。
 一方の国側は準備書面で、漁業者側が主張する堤防閉め切りと漁業被害の因果関係に関し、堤氏がこれまで示してきた見解は「科学的な合理性、妥当性に乏しい」などと反論した。次回期日は10月15日。
 一審長崎地裁は「堤防閉め切りによる環境変化が漁場環境を悪化させたとは認められない」として、漁業者側の訴えを退けた。

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