がんセンター66%減益 受診控え響く 新潟県立病院20年度決算

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 県立13病院を運営する新潟県病院局は7日までに、2020年度の病院別決算状況と病床利用率をまとめた=表参照=。がんセンター(新潟市中央区)は、新型コロナウイルス感染症の影響でがん検診の受診者が減ったことなどで純利益が19年度と比べて約66%減った。一方、感染症指定医療機関として新型ウイルス患者に対応した新発田(新発田市)、中央(上越市)の2病院は国から多額の補助金が交付されて黒字を確保。新型ウイルスの影響を大きく受けた「異常値の決算」(県病院局)となった。

 全13病院のうち最も収益が減ったのはがんセンター(併設のがん予防総合センターを含む)だった。純損益は1億2502万円の黒字だったものの、19年度の3億7053万円から2億4千万円以上の大幅減となった。

 専門的な治療を担う「県がん診療連携拠点病院」に指定されているがんセンターは、他病院から紹介を受けた患者を中心に診療している。だが、20年度は新型ウイルスの影響でがん検診の受診者数が落ち込んだことに伴い、紹介患者が激減した。緊急度の低い手術を延期したことも患者減に影響した。

 1日当たりの外来患者は925人(19年度は1031人)、入院患者は293人(同334人)とそれぞれ1割近く減り、収入の落ち込みにつながった。

 一方、最終黒字の8病院のうち黒字額が最も多かったのは中央の13億7442万円、次いで新発田の8億4163万円だった。

 両病院は感染症指定医療機関として新型ウイルス患者を積極的に受け入れたため、国から空床確保や感染対策にかかる多額の補助金が交付された。中央は19年度比で約6億2千万円、新発田は約9億2千万円の大幅な増益となった。

 最終赤字となったのは5病院で、純損失額が最も大きかったのは吉田(燕市)の8億8386万円だった。次いで加茂(加茂市)の7億509万円だった。

 一方、新型ウイルスの影響でほとんどの病院で1日当たりの患者数が減った。外来は「受診控え」などにより、リウマチセンターを除く12病院で19年度を下回った。入院は新型ウイルス対応のための空床確保などにより、全13病院で前年度を下回った。

 感染症患者を除いた病床利用率は、11病院が前年度を下回った。患者数の減少に合わせて病床を減らしたり緩和ケア病棟の運用を始めたりした加茂は51.8%で、19年度よりも0.7ポイント改善したものの、利用率は最も低かった。

 全13病院の収支を合わせた20年度の病院事業会計決算では、本業のもうけを示す医業損益の赤字幅が前年度より12億7800万円拡大。一方で、新型ウイルス関連の補助金の交付により、15年度以来、5年ぶりの最終黒字となった。

 県病院局は「新型ウイルスの流行以前から、患者数は減少傾向が続いている。感染収束後も患者数が戻らない可能性を想定し、経営改革を考えていく必要がある」としている。