菅総理の五輪答弁「不誠実と言わざるを得ない」

 菅義偉総理から7日の参院決算委員会で五輪開催について「国民の命と健康を守るのが私の責任だ。(国民の命と健康を)守れなければ(五輪は)やらない。これは当然のことだ」との答弁を引き出した立憲民主党の福山哲郎幹事長。

 質疑後の記者会見で「選手や関係者、長年携わってきた方々のことを考えると、できれば開催させてあげたいと思うが、こういうコロナの状況の中で、何が何でも強行に開催すればいいというものではないという前提で」質問したとした。

 そのうえで「IOC委員の『緊急事態宣言でも開催できる』とか、『総理が止めても開催できる』という発言は主権国家として許されない。(これに総理から)明確な答えがなく、非常に残念」と述べた。

 また、開催基準の数値について具体的に何も示さなかった総理に「不誠実と言わざるを得ない」とした。

 福山氏は政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が「この状況で、(五輪開催は)普通はない」と最大限の警鐘を鳴らしていることも踏まえ、分科会に開催の是非を正式に諮問してはどうかと求めたことにも、菅総理が「まったく、明確な答弁がない」とし、一方で緊急事態宣言の解除に関して6月20日に解除するのかとの問いには分科会に聞くとするなど「ダブルスタンダードもいいところだ」と総理のご都合主義を非難した。コロナ禍でも「五輪パラリン開催」を強行するのか、安全安心の大会の科学的根拠を示しての説明ができない限り、開催は許されない。(編集担当:森高龍二)

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