【東京五輪】「日本はコロナ加速器」「中止は権力の敗北」と海外メディアが皮肉報道

すでにアブノーマル

新型コロナウイルス禍の中で7月23日に開幕を迎える東京五輪は「アブノーマル」な大会になると「南ドイツ新聞」が報じている。

同紙によると「開幕まで6週間を前に、深刻な紛争に巻き込まれている」と五輪開催の賛成派の主催者とアスリート、反対派の国民が攻めぎ合っている現状を伝え「問題は変わっていない」という。その上で「大規模な大会の開催は、パンデミックが克服されたサインになる」としつつも「延期やオリンピックの放棄は、悲惨な権力による敗北である」と皮肉を込めた。

特に日本の政治的な側面も異常な大会になる理由という。「日本のリーダーシップにとって中止は不名誉である一方で、菅義偉首相は秋の総選挙に向けた追い風を期待しており、権威あるオリンピア計画に固執している」とし「中止の場合、最大のライバルである中国がパンデミック後、初めての五輪開催国になる」と、2022年北京五輪への対抗心を指摘した。

医療面にも疑問を投げかけている。新型コロナ対策分科会の尾身茂会長が約7万8000人の選手、関係者が来日して行われる五輪に反対している中、コロナの変異種が誕生し、世界中にばらまかれる懸念があることに「コロナ加速器としてのスポーツフェスティバルを本当に必要としている人はいない」と、痛烈に批判している。

また、同紙は五輪のレガシーについては「せいぜいオリンピアン。東京に残すことは少ない」とし「コロナがドーピングに関しても影響を与える可能性があり、詐欺師たちは利用する」と懸念。さらにワクチン接種には「不平等。貧しい国が不利になるかもしれない」と「それは本当にオリンピック精神ですか」と京子委開催を疑問視した。

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