バレー男子 鎮西学院 悲願の初優勝 梅本頼み脱し全員攻撃 第73回県高校総合体育大会 第4日 

【バレーボール男子決勝、佐世保南―鎮西学院】初優勝を決めた瞬間、ガッツポーズするエース梅本(中央)ら鎮西学院の選手たち=島原市、島原復興アリーナ

 バレーボール男子決勝第4セット、鎮西学院のマッチポイント。身長189センチのエース梅本はバックアタックを決めると、雄たけびを上げて両拳を握った。瞬間、仲間たちも喜びを爆発させる。悲願の初優勝にOBでもある戸田監督は「最高の出来」と会心の笑みを浮かべた。
 今季、長崎県大会2冠の佐世保南に真っ向勝負を挑んだ。安定したレシーブからMB前田、宮田、OP西海、OH川内もスパイクに跳び、ブロックを散らして2セットを連取。セッター江嶋は「これまで梅本頼みになっていたが、全員が攻撃参加できた」と胸を張った。
 第4セットは梅本と佐世保南の入来のエース対決になった。梅本は鋭いジャンプサーブで崩し、ブロックで止め、「俺に持ってこい」とトスを呼び続けた。22-22からはバックアタックで3連続得点。全日本中学選抜メンバー入りも経験した立役者は「つないでくれたみんなのおかげ」とチーム力の勝利を強調した。
 今大会は準々決勝で10連覇中の大村工を倒して勢いに乗った。続く準決勝も好チームの長崎南山を撃破。ノーシードからの挑戦だったが、ライバルとの接戦を制し続けて、一戦一戦自信を深めていった。
 全国の舞台に立つのは2007年3月の全国選抜優勝大会(春高バレー)以来、14年ぶり。就任25年目の戸田監督は「今までの卒業生、保護者のみなさんの力で勝てた」と目を細めた。そんな苦労人が「個性派ばかり」と評するチームが、鎮西学院の歴史に新たな1ページを刻んだ。

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