三つ子の「人面魚」をスクープ撮!! 発見から31年の時空を超え…輝く黄金の顔

神戸市須磨区の須磨寺で撮った三つ子の人面魚

東スポスクープにより、山形県鶴岡市・善宝寺の人面魚が一大ブームを巻き起こしたのは1990年(平成2年)のこと。あれから31年を経た令和の今、時空を超えて神戸市の須磨寺によみがえった。31年前、人面魚が笑った写真を撮影した本紙カメラマンが、再び人面魚を発見。今回はなんと、三つ子の人面魚だ!

つい先日、須磨寺本堂の脇にある池をのぞいてみると、体長25センチほどとやや小ぶりながら、はっきりと人の顔に見える人面魚を発見した。
全身は銀色で黄金色の顔面。本物の目の間には、死んだイワシのようなドロンと濁ったような目らしきものがあり、さらにその間には鼻らしきものも。31年前の人面魚は50センチながら、姿はウリ二つ。生まれ変わりなのかと錯覚させるほどだ。あまりに不気味だが、吉兆なのか凶兆なのか?

この池は、源平合戦における一ノ谷の戦い(1184年)で、熊谷直実が討ち取った平敦盛の首を洗ったという言い伝えがあり、何やら背筋に冷たいものが走る。

しばらくその金色に輝く不気味な姿をカメラで追っていると、顔つきも額の模様も体つきもそっくりな3匹の人面魚が、引き合うようにファインダーの中に飛び込んできた。まさにウリ二つ、いやウリ三つ?の姿に、これは三つ子の人面魚だと確信した。

あの人面魚が1匹どころか3匹。何か意味があるのか? 須磨寺の副住職の小池陽人(ようにん)氏に話を聞いてみた。

「三つ子かどうかは別として、仏教では『三』という数字は特別な意味のある数字です。須磨寺には、観音様、不動明王、毘沙門天の三尊が祭られています。もしかしたら三尊の化身なのかもしれません。まだ小さいので、参拝客の皆様にも認知されてないようですが、大きくなって、ますます人の顔に似てくるといいですね」

世界中がコロナ禍に苦しめられる中、吉兆だといいのだが…。

しかし、オカルト評論家の山口敏太郎氏はこう語る。

「コロナ禍ですさんだ世の中を象徴してるような気がします。まるで喜びや悲しみをなくしてしまった人類の代弁者のように、人面魚が出現したのではないでしょうか。オカルトとは世の中の深層心理が反映されるといいます。喜怒哀楽をなくし表情を失ってしまった我々人類へのアンチテーゼのような気がします。コロナ禍が終息し、世の中に再び感情が満ちあふれた時に、人面魚は姿を消すのかもしれません」

なんとも嫌な見立てだ。実は本紙で既報しているが、2019年11月に中国に人面魚が出現し、その際に山口氏は「都市伝説の世界では、人面を持つ生物が現れるのは戦争や災害の前兆だといわれています。今後、中国に大規模なトラブルや災害が発生する可能性がありますよ」と指摘。その後、中国から新型コロナウイルスが世界に蔓延し、今に至っている。ネット上で山口氏の言葉は「予言だ」と騒がれた。

また前回、人面魚が現れた1990年はバブル景気最後の年。翌年から平成不況に突入した。そのうえ90年は記録的な猛暑と暖冬。しかも台風上陸数6つは、当時最多だった。

とはいえ山口氏は「人面魚とは、かつて品種改良されて作られた、顔の部分がカブトのように見えるコイの品種なんです。その遺伝子がたまに子孫のコイに発現した結果、人面魚が生まれるんです。今回もそのパターンじゃないですか」とも指摘する。

そうなると須磨寺の人面魚は“凶兆の怪魚”ではないということか? 小池副住職の言葉を踏まえ、この“三尊人面魚”を改めて見ると、「早くコロナ禍が収まるといいですね」とでも語りかけてきているようにも思える。

大きくなったらどんな顔になるのか? 成長した姿が楽しみだ。

【人面魚ヒストリー】

本紙カメラマンが31年前に撮影した人面魚の写真は、1990年6月12日付の本紙1面に「噂の人面魚が笑った」という見出しとともに掲載された。

人面魚は、山形県鶴岡市の古刹善宝寺にある貝喰池(かいばみいけ)で同年6月10日の午前8時ごろ撮影された。本紙カメラマンは当時、「前夜の雨で濁った黒い池の底からゆっくりと浮きあがってきた。体長は約50センチ、全身は銀色でシッポに血のような朱のシミがある」と記している。

人面魚が姿を見せたのは約3分間。動きは緩慢だったという。その時の様子について「投げられたエサも無視してカメラマンをじーっとにらみつけた後、朱唇を開いてニヤリと笑ったように見えた」と本紙カメラマンは記した。

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