在外ウイグル人の90%が東トルキスタン内の家族や友人と連絡がとだえたまま。『在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド』重版4刷決定!

株式会社ハート出版は、 ムカイダイス著による『在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド』の増刷(4刷)を決定。 また先ごろ、 東京都内でムカイダイス氏による出版記念講演会が行われた。 中国・新疆ウイグル自治区において行われている現在進行形の人権侵害。 徹底した監視、 宗教弾圧、 ウイグル語教育の禁止、 強制避妊、 中絶強要──それだけではなく収容所における強制労働、 拷問、 集団レイプ、 移植用臓器摘出など、 同地に住むウイグル人に対する中国政府の民族浄化政策は、 苛烈を極めている。 これを受けて欧米諸国がいち早く対中制裁を発動する中、 一向に動きを見せない日本政府。 一連の煮え切らない動きに対し、 在日ウイグル人自身が声を上げた。 同地ウルムチ出身の著者は、 日本留学後定住。 「万葉集」や「百人一首」といった日本文学のウイグル語翻訳だけでなく、 ウイグル文学の邦訳を手掛けている。 現在は大学で非常勤講師を務めているが、 祖国の現状に胸を痛め、 本書を執筆。 半自叙伝的な内容と共に、 ウイグルの地「東トルキスタン」とウイグル人の真実の歴史を語る。 また、 なぜウイグル人は揺るぎない親日の感情を持っているのか、 日本とウイグルとの知られざる関係についても言及する。 もちろん、 現在ウイグルで何が行われているか現地に住むウイグル人からの直接取材した内容や、 強制収容所からの脱出に成功した人たちの証言も抄録。 巻末には「強制収容所に収容されているウイグル知識人リスト」も掲載されている。

先ごろ、 東京都内でムカイダイス氏による出版記念講演会が行われ、 多くの強制収容や中国のスパイ戦略に関するエビデンスを元に、 明らかな中国によるジェノサイドの事実を提示した。 講演会の中で、 故郷・ウイグルの牧歌的な美しい風景や、 建築美、 日本の様式美に似た文化について、 また、 破壊された瓦礫の山に佇むウイグル人女性の写真を見せ、 「これが今のウイグルを表す写真。 私たちは強制収容所の中で腐って死んでいくのではなく、 戦って負けて死ぬことができたら、 どんなに幸せだっただろうか。 無念としか言いようがない」と語った。 コロナ禍で入場者を制限した中での講演会ではあったが反響を呼び、 少しずつこの問題が日本人にも浸透しつつある中、 このたび三度目の増刷が決まった。

本書により、 いかにウイグル人たちが非人間的な扱いを受けているか、 そして中国共産党によるウイグル人支配が不当なものであるか理解できる。 本書の内容が世に広まることで、 不当な人権支配を受けているウイグル人たちが一刻も早く、 一人でも多く解放されることを願う。 5月2日より、 ワニブックスWEBマガジン:NewsCrunchにて『「国がない」という不幸』と題したウイグル特集を連載中。

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